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『LEGO ムービー』が教えてくれる遊びの自由【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.19】

『LEGO ムービー』が教えてくれる遊びの自由【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.19】

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説明書通りのレゴ世界



 デンマークのブロック玩具「LEGO」の世界を描いた『LEGO ムービー』から5年、続編『LEGO ムービー2』公開に備えて、改めて一作目を振り返ってみたい。2014年公開の前作は、大人になってからのレゴの遊び方に少し悩んでいたぼく自身に、影響を与えたというか、なにか救いのようなものをもたらしてくれた作品なので、そのことも書きたいと思う。


 物語は全てがレゴでできた街から始まる。主人公はエメット・ブロックスキーというどこにでもいるなんの特徴もない、標準的なレゴ人形(ミニフィグ)で、毎日レゴの説明書通りの生活をし、説明書通りの建設に従事する作業員だ。実際のレゴで撮ったストップモーションアニメに見間違えるほどのCGで描かれたレゴの街は、密度や空気感が本当にミニチュアの世界を覗いているようでわくわくする(空中に細かい埃が舞っていたり、ブロックの表面に細かい傷があったりするのがまた良い)。しかし、能天気で楽しげでありながらどこか管理的なレゴの街や、エメットの生活は、ぼくのレゴの遊び方にぐさりと刺さってくるものがあった。


 買ったセットを説明書通りに作るのは基本的なことだけれど、子どもの頃はセットのモデルなんて一度作ったら満足で、あとはバラバラにしてすでに持っていたパーツをごちゃまぜに、新しいなにかを作るのが醍醐味だった。しかし、大人になってから買ったレゴはなかなかそういうふうに遊べない。説明書通りに作ったモデルを飾っておしまいになりがちだった。子どもの頃と違って好きなセットを買えるようになったから、複数のセットを寄せ集めて大きなものを作る必要がなくなったからというのもあるし、うまく作ろう、綺麗に作ろうなんていう意識が強くなっているからというのもあると思う。いずれにせよ自由な発想がしづらくなり、説明書通りに作ったものを飾って終わり、というところになんとなく「これじゃいけないんじゃないか」という気持ちがあった。


 ちなみにエメットに声をあてているのはクリス・プラット。彼の演じたキャラクターはほかにも、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のピーター・クイルや『ジュラシック・ワールド』のオーウェン・グレイディがレゴとして商品化されているので、エメットも含めて3人ものクリプラがミニフィグになっている。



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