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緻密なアップデートを仕掛けた、舞台から映画への変換『あの日々の話』玉田真也監督【Director’s Interview Vol.26】

緻密なアップデートを仕掛けた、舞台から映画への変換『あの日々の話』玉田真也監督【Director’s Interview Vol.26】

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計算された3幕構成



Q:構成についてお聞かせください。今回はある意味、群像劇だと思うので、どうしても最初に状況説明とキャラクター説明が要りますよね。そういう意味では、物語を動かし始めるまでは我慢も必要だったかと思うのですが、100分という尺をどう配分して構成を組まれたのでしょうか。


玉田:そうですね。3幕構成になってるとしたら、1幕目が麻央ちゃんのカバンからコンドームが出てくるところまでなんです。要は状況説明、人物説明をするまでが、そこで大体20分ちょっとあるんですよね。その間っていうのは多分見ている人が一番ストレスを感じるところだと思うんですよ。


 まだ内容が分からないし、有名なスター俳優も出ているわけでもないし、なんか男たちがくだらない話をしてるだけなんですよ。で、何だこれは、どういう話なんだろうって、まだ何も見えない時間なんです。コンドームが出てきてから話が少しずつ動き出すんです。あ、こういう方向に行くんだって、だんだん気づいていくんですよね。そこからが2幕目で、別の部屋にいた女たちは男たちとは全然違うことで揉めていく、そして、男たちが話していたくだらない目論見が全然駄目だなって見えてくるんですよね。で、3幕目で全員集合しつつ終幕に向かっていく感じになっているんです。




 だから2幕目の途中ぐらいから、きっと面白くなっていくだろうなっていう狙いはあるんです。最初の20分ぐらいっていうのは、楽しめなくはないと思うんですけど、構造的に最終的には絶対面白く展開させていくし、乗せていけるだろうから、まあ最初のほうはいいかなと。第1幕は必要な部分としてあるという感覚で作っていますね。


Q:第1幕の、くだらない会話があるからこそ、後半の回収がバシバシ決まっていきますよね。最初に各キャラクターを認識させているからこそ、後半でそれがすごく効いてきてるんだと思います。逆転現象みたいなものも出てきて、怒涛のように面白くなっていきますよね。


玉田:ありがとうございます。



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