今年注目の新作ストップモーションアニメーション『ごん GON, THE LITTLE FOX』。新美南吉の傑作童話「ごんぎつね」をベースに、独自の解釈を加えて映像化。2019年秋に公開を予定し、現在鋭意制作中だ。
監督は八代健志(太陽企画TECARAT所属)。CMディレクターとして活躍する傍ら、『ノーマン・ザ・スノーマン〜北の国のオーロラ〜』(13)、『眠れない夜の月』(15)、『ノーマン・ザ・スノーマン〜流れ星のふる夜に〜』(16)など、プラネタリウムで上映される短編映像作品でヒット作を生み出してきた。
『ごん GON, THE LITTLE FOX』は、CINEMOREの運営会社でもある映像制作会社、太陽企画の制作だ。この連載では自社制作ならではの情報量で、現在では珍しい国産の短編ストップモーションアニメーションが出来上がる過程を追っていく。
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ストップモーションアニメとは
日本では「コマ撮り」とも呼ばれるストップモーション・アニメーション。人形を少しずつ動かしては写真を撮り、その写真を繋げてアニメーションにする映像技法だ。
『ごん』では、1秒の映像を作るのに24枚の写真が使用されている。この時、1枚の写真のことを「1コマ」という。
現在、日本のアニメの主流は、言うまでもなく手書きやCGだ。しかし実物のセットや人形を使い、人の手で直に触って動きをつけていくストップモーションには、膨大なアナログ作業を積み重ねたことによる独特の存在感がある。
近年は劇場作品『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(16)『犬ヶ島』(18)や、Netflix作品『リラックマとカオルさん』(19)などが公開され、コアなコマ撮りファンならずとも目にする機会が増えてきた。デジタル化が進んでいる現代だからこそ、再び注目されつつある手法だと言える。