ストップモーションのアニメートは1コマずつ順に撮り進める。手書きアニメのように、原画で主要な動きを書いてから動画に分担することはできないし、CGアニメのように何度も手直しすることはできない。全て一発撮りで、良くなければ最初から撮り直しだ。それがストップモーションが大変と言われる所以なのだが…、もちろん良い点もある。今回は『ごん』のアニメートについて取材した。
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アニメーターは役者。身体感覚を人形に落とし込む
『ごん』のアニメートは、ほぼ八代監督が担当している。脇役のカットはスタッフに任せることもあるが、主人公のごんや兵十は監督自ら動かしている。どのように動きの設計をしているのだろうか。
撮影に立ち会うと、監督はしばしば不思議な動きをしていた。ふと作業の手を止めて、突然ジャンプをする。これは実は、自分の体を使って人形にさせる動きをシミュレーションしているのだ。ジャンプする時、どこに力が入り、手足はどういった順番で動くか。実際に動くことで得た感覚を人形にトレースする。