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『アマデウス』巨匠ミロス・フォアマンの激動の人生から見えてくるもの

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『アマデウス』巨匠ミロス・フォアマンの激動の人生から見えてくるもの

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監督の人生から浮かび上がってくるもの



 そんなモーツァルトとサリエリが織り成す人間ドラマに圧倒されながら、筆者の胸に込み上げてきたものがある。それは2018年に亡くなったミロス・フォアマン監督に関すること。本作のモーツァルトとサリエリの関係性には、どこかフォアマンが歩んできた人生の「最も複雑な部分」が投影されているように思えたのだ。


 コロンビア大学でジェームズ・マンゴールド(『LOGAN/ローガン』(17)、『フォードVSフェラーリ』(19))を始めとする多くの弟子を育てた彼は、もともとチェコスロバキアで生まれ、両親はともにナチスの収容所で死去し、大変な思いをしながら幼少期を生き抜いたことで知られる。


 戦後は社会主義となった祖国で映画製作に情熱を捧げるも、先行きが見えなくなる情勢の中、「もっと自由に映画が撮りたい!」と願う一心で、アメリカへの移住を決意(のちに市民権も取得)。彼の映画『カッコーの巣の上で』は原作や舞台をベースにしている一方、フォアマンの胸のうちにある「自由への希求」を声高く歌った作品とも解釈できるだろう。



 そしてこの『アマデウス』は、それから十数年を経た彼が、祖国チェコスロバキアへ舞い戻ってロケ撮影を行ったアメリカ映画である。撮影中は常に秘密警察から見張られ、様々な困難に直面することもあったそうだが、そんな中でフォアマンはアメリカ独立記念日にスタッフやエキストラとともに米国歌を合唱するなど、自らの米市民ぶりをアピールするそぶりも見せていたという。本作はそのような複雑な状況で撮影された作品なのだ。



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