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『グランド・ブダペスト・ホテル』卓越した美意識と技巧が引き立てる、3つの愛――

(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『グランド・ブダペスト・ホテル』卓越した美意識と技巧が引き立てる、3つの愛――

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ウェス・アンダーソン監督最大の人気作



 よく言われる話だが、日本人の約3分の2は年に1回も映画館に行かないという。諸国に比べてなかなか寂しい状況下において、中高年のシネフィルだけでなく、若い女性からも圧倒的な支持を集める珍しい映画監督がいる。その名は、ウェス・アンダーソン。


 クエンティン・タランティーノ、クリストファー・ノーラン等、若い世代にも「名前だけで観に行きたい」と思わせる海外の映画監督はいるが、こと女性人気という点においては、ウェス以外にはなかなか見当たらない。


 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(01)、『ライフ・アクアティック』(04)、『ダージリン急行』(07)等、オフビートな笑いと独自の作家性を追求してきた彼のファン層に変化があったのは、2012年の『ムーンライズ・キングダム』だろう。久方ぶりに少年少女を主役に据え、甘酸っぱい恋愛を軽妙洒脱な映像で描いたこの映画は、若き映画ファンの多くを虜にした。その2年後、2014年に届けられたのが『グランド・ブダペスト・ホテル』である。本作は、従来のアートセンスに『ムーンライズ・キングダム』で培った「幅広さ」がミックスされた、ウェス監督の集大成といえる。



 第64回ベルリン国際映画祭では、銀熊賞を獲得。第87回アカデミー賞では9部門にノミネートされ、美術賞、衣装デザイン賞、メーキャップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞の4部門を受賞。後に『 シェイプ・オブ・ウォーター』(17)を手掛ける作曲家アレクサンドル・デスプラ、『 レディ・プレイヤー1』(18)を世界的ヒットに導くプロダクション・デザイナーのアダム・ストックハウゼン、『 時計じかけのオレンジ』 (71)から直近は『 ゴールデン・リバー』(18)まで携わる衣装デザイナーのミレーナ・カノネロといった名手たちの仕事ぶりが光る。


 出演者においては、オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ビル・マーレイ、ティルダ・スウィントン、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーベイ・カイテルといった常連組に加えて、レイフ・ファインズ、マチュー・アマルリック、ジュード・ロウ、レア・セドゥといった、すさまじく豪華な面々が集結。


 (C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.


 『 つぐない』(07)で13歳にしてオスカー候補に躍り出たシアーシャ・ローナン、『 マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)でブレイクする前のルーカス・ヘッジズ(『ムーンライズ・キングダム』に続き出演)ら若手実力派も多数登場。ちなみに、主人公のベルボーイ役を務めたトニー・レボロリはトム・ホランド版『 スパイダーマン』シリーズで主人公ピーターをからかうお調子者の同級生フラッシュを演じており、成長した姿を観ることができる。



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