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『ア・ゴースト・ストーリー』かわいく深遠な幻想譚、極秘裏に制作された理由とは ※ネタバレ注意

(c)2017 Scared Sheetless, LLC. All Rights Reserved.

『ア・ゴースト・ストーリー』かわいく深遠な幻想譚、極秘裏に制作された理由とは ※ネタバレ注意

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※本記事は『A GOHST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』の物語の核心に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


『ア・ゴースト・ストーリー』あらすじ

アメリカ・テキサスの郊外、小さな一軒家に住む若い夫婦のCとMは幸せな日々を送っていたが、ある日夫Cが交通事故で突然の死を迎える。妻Mは病院でCの死体を確認し、遺体にシーツを被せ病院を去るが、死んだはずのCは突如シーツを被った状態で起き上がり、そのまま妻が待つ自宅まで戻ってきた。Mは彼の存在には気が付かないが、それでも幽霊となったCは、悲しみに苦しむ妻を見守り続ける。しかしある日、Mは前に進むためある決断をし、残されたCは妻の残した最後の想いを求め、彷徨い始めるーー。


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ミニマルなのに壮大。時空を超え漂う可愛らしいオバケ



 とても奇妙な映画を観た。奇妙といっても、怖いとかおどろおどろしいとか、そういった要素はいっさいなし。主人公はオバケなのに、その外見はキャスパーやオバQのように可愛らしい。一方、作風はとてもミニマルでありながら、その小さな間口から壮大な宇宙を覗かせるほどの”深遠さ”を併せ持っている。


 今ふと浮かんだ”例え”を臆面もなく口にするなら、それは「オバケ版『ツリー・オブ・ライフ』」。この言葉にどれほどの人が頷いてくれるかわからないが、しかしこの映画には、オバケの視点で悠久の時を紡ぐ、いわゆるテレンス・マリックを思わせる映像叙事詩的な側面が確実に存在する。



『ア・ゴースト・ストーリー』(c)2017 Scared Sheetless, LLC. All Rights Reserved.


 そういえば、本作の監督であるデヴィッド・ロウリーの出世作『セインツ-約束の果て-』(13)もまた、どこかマリックの『地獄の逃避行』(73)に通じる、激しくも美しい作品だったのを思い出す。両者はどこか根底の部分で繋がっているのだろうか。



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