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『犬ヶ島』ウェス・アンダーソンの作劇と日本的物語の融合

『犬ヶ島』ウェス・アンダーソンの作劇と日本的物語の融合

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日本人が共感する『犬ヶ島』と、ウェス・アンダーソンの作劇法



 ウェス・アンダーソン監督の最新作『犬ヶ島』は日本人の琴線に触れる映画だ。単に日本が舞台になっているからだけではない。映像の面でも物語の面でも、日本の文化や歴史に対する“リスペクト”(登場人物の小林市長がたびたび口にする言葉でもある)があふれているからだ。




 前回記事では主に映像面からウェスの作家性とジャポニスム(日本趣味)について論じた。今回はウェスの作劇と、日本人に馴染みの深い物語類型という観点で、『犬ヶ島』に親しみを覚える理由を解き明かしていく。


 ストーリーに入る前に、ウェスのフィルモグラフィーに共通する作劇の特徴を示しておこう。端的に言えば、「独立志向(単独行動、一匹狼)」対「仲間同士の絆」、「冒険の刺激と高揚感」対「共同体(家族、疑似家族)に安住する心地良さ」という、相反する価値を物語の中に組み込み、それらの対立をストーリーの推進力にしていることだ。




 これはキャラクター同士のぶつかり合いの場合もあるし、あるキャラクターの内面の葛藤として描かれることもある。それを通じて登場人物(あるいは動物)は成長し、試練や混乱は収束へ向かう。ただし、そうした相反する価値のどちらかが完全に否定されるのでなく、双方を内包したまま解決を迎えるのも特徴的だ。 




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