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『ポリス・ストーリー/香港国際警察』ジャッキー映画史上、最高の体技×スタント×コメディのフルコース

(c)Photofest / Getty Images

『ポリス・ストーリー/香港国際警察』ジャッキー映画史上、最高の体技×スタント×コメディのフルコース

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ギャグを詰め込むコメディシーンへのこだわり



 ジャッキー映画は基本的にコメディであり、無声映画時代のチャップリンやハロルド・ロイド、バスター・キートンなどのギャグに大きな影響を受けている。だからどの作品でも体を使ったギャグはお馴染みだが、『ポリス・ストーリー』はそのギャグがいつも以上に高密度に散りばめられており、一瞬でも観客を飽きさせまいとしている。ジャッキーはアクション至上主義者であると同時にギャグ至上主義者でもあるのだ。


 それを最も如実に表しているのが、ストーリー中盤、ジャッキー演じる刑事が勤務する警察署のシーンだ。なぜか警察署の入り口には牛が放し飼いにされているのだが、ジャッキーがその牛の糞を踏みつけてしまう。靴を地面にコスりつけて糞を落とそうとするのだが、その動作がいつしかブレイクダンスのステップのようになり、ムーンウォークまで披露する。


 アクションから逆算してストーリーを構築するジャッキーは、ギャグに対しても同じ姿勢を貫いていると思われる。つまり、このくだらないギャグ(褒め言葉)を先に思いつき⇒「じゃあ何かの糞が必要だな」⇒「それなら牛を警察署の入り口に配置しよう」、という思考経路をたどったに違いない。



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 さらに続くシーンでは、一人で警察署の留守番をすることになったジャッキーが、次々と鳴り出す電話に対応するため、受話器を取り続け、コードが蜘蛛の巣のようになってしまう。さらにその合間には、即席ラーメンを2本の鉛筆で食べ、消しゴムを飲み込んでしまうという、これまた輪をかけてくだらないギャグ(もちろん褒め言葉)を挟み込んでくる念の入れようだ。


 ストーリーにとって、およそ不要と思われるギャグオンリーのシーンをジャッキーはこれでもかと、素晴らしい体技と念入りなカット割りを駆使し、かなりの尺を使い丁寧に見せ切る。


 映画の構造上、いびつと言えばそれまでなのだが、それこそがアクションとギャグ先行で作られるジャッキー映画の醍醐味である。そのいびつさはクライマックスでも炸裂する。



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