1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. オリエント急行殺人事件
  4. 『オリエント急行殺人事件』世界一売れた作家の小説を映画化する困難さとは!?
『オリエント急行殺人事件』世界一売れた作家の小説を映画化する困難さとは!?

『オリエント急行殺人事件』世界一売れた作家の小説を映画化する困難さとは!?

Index


大胆なプロットゆえに映画化が難しいクリスティー作品



 原作が有名であるほど、映画化した場合のヒットは期待できる。しかしあまりにも世に知れ渡った原作の場合、映画化には細心の注意が払われなくてはならない。原作を忠実に再現しつつ、映像にした必然性を明示することで、その映画の存在意義が表れるからだ。


 ミステリー小説の女王といわれるアガサ・クリスティーの作品は、聖書やシェイクスピアと同じくらいの読者数がいると言われている。聖書やシェイクスピアの発行部数は記録として残されていないが、クリスティーの小説は世界で約20億冊が発刊されたそうだ。ギネスブックも「世界一売れた作家」として認定している。


 エルキュール・ポアロやミス・マープルといった人気探偵キャラを生み出したクリスティーだが、今もなお読み継がれている最大の理由は、プロットの革新性だろう。「アクロイド殺し」や「そして誰もいなくなった」などは、それまでのミステリー小説の常識を軽々と超えており、未読の人には結末を絶対に教えられない。その人気ゆえに、クリスティー作品の映像化は数多いが、「アクロイド殺し」のように小説の持ち味をそのまま表現するのは困難な作品もある。ハードルは高いのである。




 映画化の「大成功作」は限定されており、短編「検察側の証人」をビリー・ワイルダーが監督した『情婦』あたりがクリスティー映画の最高傑作ではないだろうか。この作品も非常に映像化が難しい部分があるのだが、マレーネ・ディートリッヒの演技力で見事にその困難を克服している。それに次ぐ傑作を挙げるなら、シドニー・ルメット監督の『オリエント急行殺人事件』という気がする。



PAGES

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. オリエント急行殺人事件
  4. 『オリエント急行殺人事件』世界一売れた作家の小説を映画化する困難さとは!?