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『ブラックパンサー』まるで格闘技のデパート!? チャドウィック・ボーズマンの驚異の役作りとは

(C)Marvel Studios 2018

『ブラックパンサー』まるで格闘技のデパート!? チャドウィック・ボーズマンの驚異の役作りとは

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最もハードだったカリスマミュージシャン役



 そんなチャドウィックも「あの役の準備に比べれば、ブラックパンサー役は大したことなかった」と言ってのける。「あの役」とは、2014年の『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』の主人公だ。独特のステージパフォーマンスが有名なジェームス・ブラウン。その歌とダンスをチャドウィックは完コピして、スクリーンで再現した。2ケ月にもおよぶ猛特訓のおかげで、本人と見まがうほどのパフォーマンスが映像に焼きつけられたのである。実在の人物、それも誰もが知る超個性の持ち主であるジェームス・ブラウンになりきる作業に比べれば、ブラックパンサーにおける「自由度」は精神的にもラクだったに違いない。


『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』予告


 実在の人物ということでは、さらにチャドウィックのキャリアを遡ると、スター俳優への足がかりとなった2013年の『42~世界を変えた男~』で黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンを演じている。このジャッキー・ロビンソンは、ジェームス・ブラウンに比べれば、チャドウィック本人にも顔立ちが似ている。そして活躍した時代も1940~50年代なので、人々の記憶からも遠ざかっており「そっくり」を強く意識する必要はなかった。とはいえ、野球のシーンも多いわけで、野球経験のなかったチャドウィックは数週間の特訓を受けることになった。しかし短期間でプロ野球選手のプレーを身につけるのは困難であり、顔が見えないプレーシーンの多くは代役で撮影されたのである。おそらくこの苦い経験が、後のジェームス・ブラウン、ブラックパンサー役における「徹底的な役作り」につながったのだろう。


 現在41歳で、やや遅咲きのスターであるチャドウィック・ボーズマンだが、舞台の脚本を書いた経験などもあり、マーベルヒーローという派手な活躍だけなく、クリエイターとしての今後のキャリアにも期待したい。



文: 斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。スターチャンネルの番組「GO!シアター」では最新公開作品を紹介。 



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(C)Marvel Studios 2018


※2018年3月記事掲載時の情報です。

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