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『クリード 炎の宿敵』過去と対峙するイワン・ドラゴ/ドルフ・ラングレンの物語

『クリード 炎の宿敵』過去と対峙するイワン・ドラゴ/ドルフ・ラングレンの物語

※本記事は物語の核心やラストに触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


Index


映画の冒頭を飾った因縁の親子、イワン&ヴィクター



 映画『クリード 炎の宿敵』が、冗談交じりに「『クリード2』ではなく『ロッキー4/炎の友情2』だ」と言われる所以は、ひとえにドルフ・ラングレンが33年ぶりにイワン・ドラゴ役を再演したことに尽きる。『クリード 炎の宿敵』では、主人公アドニスの父アポロをエキシビジョンマッチで死に追いやり、後にロッキーに試合で敗れたソ連人ボクサー、イワン・ドラゴが再登場。さらにイワンの息子ヴィクターが、ヘビー級チャンピオンとなったアドニスに、過去の遺恨を晴らそうと挑戦してくるのだ。


 前作『クリード チャンプを継ぐ男』(15)は、「ロッキー」シリーズの生みの親であるスタローンの発案ではなく、シリーズのファンだったライアン・クーグラー監督からの持ち込み企画だったことは前の記事でも述べた。しかしクーグラー監督は『ブラックパンサー』(18)にかかり切りになったことで『クリード』の第二作から降板し、2006年の『ロッキー・ザ・ファイナル』以来12年ぶりに、スタローンが「ロッキー」ユニバースの脚本を書いたのが『クリード 炎の宿敵』ということになる。


 『ロッキー4/炎の友情』(85)で初登場したイワン・ドラゴは、ソ連の国家的威信を背負った超人的なボクサーで、ほとんど感情を表すことのないサイボーグのような存在として描かれていた。そのイワン・ドラゴが、『クリード 炎の宿敵』では冒頭のシーンから登場する。




 かつてはソ連の誇りだったイワンは、今ではウクライナの安アパートに暮らし、再起の望みを息子ヴィクターに託してボクサーとしてスパルタ指導をしている。ソファーに寝ていたヴィクターを起こしてランニングへと促す冒頭のシーンにセリフは一切ない。ただ、明らかに幸福ではない親子の姿と、続くシーンでヘビー級チャンピオンとなり恋人ビアンカにプロポーズする、アドニスの幸福な姿が対比されるのだ。なんとも皮肉な描写である。



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