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『ロッキー』のスピリットを受け継いだ『クリード チャンプを継ぐ男』、その真の勝者とは?
2019.01.09
『ロッキー』あらすじ
ロッキーが再び立ち上がる。親友アポロの息子をチャンピオンにするために。元ヘビー級王者アポロ・クリードの愛人の息子アドニスは、生まれる前に死んだ父を知らずに育つ。だが、その血に流れる戦いへの情熱は抑えられず、かつて父と歴史に残る激闘を繰り広げたロッキー・バルボアを探し出し、トレーナーを依頼する。一度は断るロッキーだが、親友アポロと同じ強さと決意をアドニスの中に見出し、アドニスをチャンピオンにすると決意。果たして絶対的不利なアドニスと、かつての英雄ロッキーは奇跡を起こすことができるのか!?
Index
引き戻されたロッキーの伝説
無名のボクサーが世界ヘビー級チャンプと互角に戦った奇跡を描き、アカデミー賞の栄冠を射止めた1976年の名作に始まる『ロッキー』シリーズ。それは脚本と主演を兼任して本作に懸けた当時無名のシルベスター・スタローンを、リング上のロッキーと同様に、世界の頂点に立つスターへと押し上げた。そしてスタローンは2006年の感動的な第6作『ロッキー・ザ・ファイナル』でシリーズを美しく締めくくる。
だが、伝説はこれで終わらなかった。2015年、本稿の主役であるスピンオフ企画『クリード チャンプを継ぐ男』が登場。これも好評に迎えられて成功を収め、続編『クリード 炎の宿敵』の公開も始まる。一度は終わったロッキーの伝説を現在進行に引き戻した『クリード』シリーズはどのようにして生まれたのか? そこには『ロッキー』第一作の頃のシルベスター・スタローンにも似た、若き映画人の熱意があった。
まずは改めて『ロッキー』シリーズから『クリード チャンプを継ぐ男』までのストーリーの流れを整理してみよう。『ロッキー』でスタローンが扮した主人公ロッキーは世界ヘビー級チャンピオン、アポロ・クリードと対決。ここでは敗れるが、2作目の再戦では王座を奪取する。3作目でロッキーは、今や親友となったアポロをトレーナーに迎えてリングに上がり、4作目ではアポロのリング上での悲劇的な死を見届けることになる。『クリード チャンプを継ぐ男』の主人公アドニスはアポロの息子。正確にはアポロが愛人に産ませた子である。父から闘争心を受けた継いだ彼は老ロッキーに師事してボクサーの道を歩みだすのだ。