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『ブラックパンサー』まるで格闘技のデパート!? チャドウィック・ボーズマンの驚異の役作りとは

(C)Marvel Studios 2018

『ブラックパンサー』まるで格闘技のデパート!? チャドウィック・ボーズマンの驚異の役作りとは

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アクションに応じて格闘技を使い分ける



 ブラックパンサー役でチャドウィックが最も苦労したのは、言うまでもなくアクションの準備である。他者から受けた攻撃を自身のパワーに変換し、その名のとおり野生の豹のごとく、俊敏でしなやかな動きと、超人的なジャンプや走行の能力を有している。劇中には高速で走る車にしがみつくなど、危険なスタントが満載である。ブラックパンサーは顔がマスクで覆われているので、もちろんスタントマンも協力しているが、格闘シーンのほとんどはチャドウィック自身が挑んでおり、そのためのトレーニングの量が半端ではなかったと、チャドウィックは告白する。


 「ブラックパンサーには、さまざまなアクションのスタイルがあるから、ありとあらゆる格闘技を学んだ。まずフィリピンの『カリ』。ブラックパンサーの爪の攻撃は、カリのナイフを使った技が参考になったからだ」



『ブラックパンサー』(C)Marvel Studios 2018


 このカリは、ナイフだけでなく棒や紐を武器に使うことでも知られている。日本でカリが話題になったのは、岡田准一が『SP警視庁警備部警護課第四係』の役作りで取り入れたときだった。この『SP~』と同じ原作者(金城一紀)の映像化作品では、ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』でも小栗旬や西島秀俊がカリを特訓している。2012年のインドネシア映画で、日本でも劇場公開されてアクション映画ファンを夢中にさせた『ザ・レイド』でも、カリのテクニックが多用されていた。


 次にチャドウィックが挙げるのが、この格闘技。

「ブラジルのカポエイラは、ブラックパンサーが空中で披露するアクションのトレーニングに有効だった」


 実際のカポエイラは空中を舞うわけではない。格闘技とダンス、音楽も合わせた、ブラジルの伝統文化であり、アクロバティックかつ流れるような動きが、ブラックパンサーの空中でのポーズで使われたのだろう。このカポエイラは、『M:I-2(ミッション:インポッシブル2)』でトム・クルーズが披露したほか、『キャットウーマン』、『オーシャンズ12』、トニー・ジャーが主演した『トム・ヤム・クン!』など多くの映画に取り入れられ、アクション映画に出演するスターたちもトレーニングを受けるケースが多い。



『ブラックパンサー』(C)Marvel Studios 2018


チャドウィックが訓練した格闘技は、さらに続く



 「ブラックパンサーの特徴である、ネコ科動物のような地を這う動きには、セネガルのレスリングを参考にした。アフリカへの敬意も込めてね。そして直立での戦闘のために、合気道や柔道、テコンドー、そしてタイのムエタイを学んだよ」


 世界中の格闘技を網羅したわけだ。『ジョン・ウィック』のキアヌ・リーブスなど、格闘アクションのために日本の柔道を習うスターはけっこう多い。それにしても、ひとつの役のためにこれだけの種類の格闘技をトレーニングするのは、異例である。さらに食事制限や筋トレも行ったわけで、チャドウィック・ボーズマンのストイックな役者魂には恐れ入るばかり。その結果、完成した映像では、究極のアスリートのようなブラックパンサーの躍動に惚れぼれさせられる。


キアヌ・リーブスと同じスタジオでトレーニングを積んだシャーリーズ・セロン!



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