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『素敵なダイナマイトスキャンダル』と併せて知る、時代を盛り上げたエロ雑誌業界の盟友たち

©2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会

『素敵なダイナマイトスキャンダル』と併せて知る、時代を盛り上げたエロ雑誌業界の盟友たち

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『素敵なダイナマイトスキャンダル』あらすじ

バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井昭は、7歳にして母親の衝撃的な死に触れる。肺結核を患い、医者にまで見放された母親が、山中で隣家のひとり息子と抱き合いダイナマイトに着火&大爆発!心中したのだ――。末井はその後上京し、キャバレーの看板描き、イラストレーターを経て、小さなエロ雑誌の出版社へ。編集長として新感覚のエロ雑誌を創刊する。奮闘する日々の中で、荒木経惟に出会い、さらに南伸坊、赤瀬川源平、嵐山光三郎ら錚々たる表現者たちが末井のもとに参集する。発禁と創刊を繰り返し、「ウィークエンド・スーパー」、のちに伝説となる「写真時代」など、数々の雑誌を世におくり出していく…。


Index


カリスマ雑誌編集者、末井昭の半生から見えてくる業界史とは



 冨永昌敬監督の新作『素敵なダイナマイトスキャンダル』は、現在は主に作家として活躍している伝説のカリスマ的な雑誌編集者、末井昭(1948年生まれ)の自伝的な同名エッセイ本を原作にしたものだ。末井の18歳から40歳までの波乱万丈の半生を、柄本佑が独特の名演で演じきるこの映画は、「業界モノ」というアングルでも楽しむことができる。


 末井が編集長としてセルフ出版(現・白夜書房)で手掛けた『NEW self』(1975年創刊)、『ウイークエンドスーパー』(1977年創刊)、『写真時代』(1981年創刊)などは、いわゆるエロ雑誌の体裁を取りながら、コアなサブカルの記事を展開していたことに特徴があった。映画では末井とは名コンビと謳われた写真家の「荒木さん」(もちろん天才アラーキーこと荒木経惟のことだ)を、ミュージシャン・文筆家の菊地成孔がノリノリで演じていたりするが、本作は当時の出版業界界隈に渦巻いていた何でもアリの自由さを、映画丸ごとで追体験する試みも含んでいると言えるだろう。



『素敵なダイナマイトスキャンダル』©2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会


 そこで本作の世界をもっと知るためのサブテキスト応用編として、二冊の快著をご紹介したい。『素敵なダイナマイトスキャンダル』のアナザーサイドとでも呼ぶべき世界を描くこの二冊を読めば、業界史のさらなるレイヤーを知ることができ、映画を鑑賞するうえでもぐっと視点の奥行きが増すこと間違いなしである。



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