2018.05.15
金メダリストから俳優への挑戦も…
物語ではメインではないが、フィギュアスケートが出てくる映画はいくつもあり、たとえばダンス映画の革命的一作『 フラッシュダンス』では、主人公の友人がフィギュアスケートの選手。大会ではローラ・ブラナガンの「 グロリア」を流して演技するのだが(実際、当時のルールではボーカルが入った曲は使えないので、この描写は映画的)、じつはこの「グロリア」、『アイ,トーニャ』でも流れる。ケリガン襲撃の実行犯コンビが、犯行現場に向かう車内で聴いているのだ。もしかしたら『フラッシュダンス』のフィギュアシーンへのオマージュかもしれない。
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』Copyright © 2017 AI Film Entertainment LLC.
そのほか、フィギュアスケートと映画の関係では、長野オリンピック男子金メダリスト、ロシアのイリア・クーリックが、ダンサーを目指す若者たちを描いた『 センターステージ』で俳優デビューしたりしている。『アイス・キャッスル』のリン=ホリー・ジョンソンとは異なり、その後、彼は俳優活動をしていないが、羽生結弦選手が『 殿、利息でござる』に特別出演したように、氷上の「演技者」である名選手たちは、おそらく映画界でも才能を発揮できるはずで、今後、フィギュアスケートからスター俳優に転身する人は、きっと現れるにちがいない。
文: 斉藤博昭
1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。スターチャンネルの番組「GO!シアター」では最新公開作品を紹介。
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
5月4日(金・祝)より
TOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショー!
Copyright © 2017 AI Film Entertainment LLC.
※2018年5月記事掲載時の情報です。