2022.12.24
『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』あらすじ
ギリシャに集まったテクノロジー界の大富豪と癖の強い友人たち。そこに現れた世界的に有名な名探偵ブノワ・ブランが、彼らにまつわる謎の真相をひとつひとつ解き明かしていく__。
名探偵ブノワ・ブランが、ついに真の誕生を迎えた。『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』(22)は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)の気鋭ライアン・ジョンソンによるミステリー映画『ナイブズ・アウト』シリーズの第2作。しかし前作を観ていなくとも、このシリーズは本作から十分に楽しめる。むしろ、ここから物語を始めることをお薦めしたいほどだ。
前作『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(19)でブランが挑んだのは、大富豪のミステリー作家がパーティーの夜に殺害された事件。一転して今回の舞台は、美しい海に囲まれたギリシャの孤島(プライベート・アイランド)だ。コロナ禍まっただなかの2020年、島の豪邸に“容疑者”たちが集まったという設定である。スケールも謎解きもパワーアップした本作で、ジョンソンは自らが真に優れたストーリーテラーであることを証明してみせた。
Index
ネタバレ厳禁、謎だらけのストーリー
洗練されたファッションに、クセの強い南部訛り。主人公のブノワ・ブランは、優れたミステリーに欠かせない個性たっぷりのキャラクターだ。演じるのは、『007』シリーズの6代目ジェームズ・ボンド役で知られるダニエル・クレイグ。なお、ブランのほかに前作から再登場するキャラクターはいない。
億万長者の実業家マイルズ・ブロン(エドワード・ノートン)は、孤島での「謎解きゲーム」を企画し、かつての友人たちを豪邸に招待した。コネチカット州の現知事で選挙を控えるクレア・デベラ(キャスリン・ハーン)、注目を浴びる科学者ライオネル・トゥーサン(レスリー・オドム・Jr.)、YouTuberのデューク・コディ(デイヴ・バウティスタ)と恋人のウィスキー(マデリン・クライン)、元モデルでファッションデザイナーのバーディ・ジェイ(ケイト・ハドソン)とアシスタントのペグ(ジェシカ・ヘンウィック)。そして、マイルズと決裂して会社を去った元ビジネスパートナーのアンディ・ブランド(ジャネール・モネイ)だ。
『ナイブズ・アウト: グラス・オニオン』John Wilson/Netflix © 2022
「僕の殺人事件を解決してほしい」。マイルズは友人たちに“殺人事件”の謎解きを仕掛けていた。美しい孤島の豪邸で数日かけて謎解きに挑むという、参加者にとっては贅沢なバケーションだ。しかし、そこに招かれざる客がいた。世界最高の名探偵、ブノワ・ブランだ。招待を受けたと思いこんでいたブランだが、マイルズにブランを招いた覚えはなかったのである。では、いったい誰がこの男をはるばるギリシャまで呼び寄せたのか?
ただの推理ゲームにすぎなかったはずの事件は、やがて一癖も二癖もある友人たちの人間関係によって本物の殺人事件へと発展する。被害者は誰なのか、犯人は誰なのか、殺人の動機は? ジョンソン監督が「ネタバレ禁止令」を発令したストーリーについては、ひとまずここまでの言及にしておこう。