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『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』アニマトロニクスで再現した機械仕掛けのマスコットたち

© 2023 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』アニマトロニクスで再現した機械仕掛けのマスコットたち

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CGではなくアニマトロニクスで



 さて、本作の製作上の鍵となっていたのが、不気味なマスコットたちの再現と、その動きにあったことは言うまでもない。ゲームと同じようにCGで表現することも可能だっただろうが、本作ではあえて、より古い技術である「アニマトロニクス(ロボットを駆使して人形を動かす)」にこだわり、ピザレストランの中でアニマトロニクスのショーを見せるなど、設定そのものの仕組みを実際に表現しているのである。


 しかも、その仕事を担当したのは、操り人形やアニマトロニクスの専門集団といえる、「ジム・ヘンソン・クリーチャーショップ」だという。さまざまな映画作品に現在も職人技を提供している、この工房との協働によって、ゲームの雰囲気を完全に再現しながら、質感やリアリティある動き、そして、その奥に魂が感じられるような佇まいが完成したといえる。



『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』© 2023 Universal Studios. All Rights Reserved.


 前述したように、もともとの原作ゲームの人気は、愛らしいはずの人形が深夜ひそかに動き出すといった、キュートさと気持ち悪さとの融合によって生み出された、より異様な世界の提示だった。それは例えば、着ぐるみを着たキャラクターの中に入っている人間の目が、ふとした瞬間見えてしまったときの、ぞくっとした感覚に近いものがあるかもしれない。


 その意味でいえば、人形を作り出し操演するプロフェッショナルといえるだけでなく、多くの映像作品で実際に不気味な印象をも与えることが少なくなかった「ジム・ヘンソン・クリーチャーショップ」が、本作の“肝”となる部分を引き受けたのは、作品にとって非常に幸運なことだったといえるのではないだろうか。


 ちなみに日本でも、原作ゲーム「Five Nights at Freddy's」は、PC(Steam)かスマートフォンでプレイできる。ゲームファンが今回映画館に足を運んだのと同様、映画の方で主人公に感情移入できた映画ファンもまた、逆にゲームの方に手を伸ばしてみるというのも、面白いかもしれない。



文:小野寺系

映画仙人を目指し、さすらいながらWEBメディアや雑誌などで執筆する映画評論家。いろいろな角度から、映画の“深い”内容を分かりやすく伝えていきます。

Twitter:@kmovie




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『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』

2024年2月9日(金)より全国公開中

配給:東宝東和

© 2023 Universal Studios. All Rights Reserved.

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ

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