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『ゲット・アウト』ホラー仕掛け人、ジェイソン・ブラムの“低予算の映画術”とは?

(C)2017 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved

『ゲット・アウト』ホラー仕掛け人、ジェイソン・ブラムの“低予算の映画術”とは?

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『ゲット・アウト』あらすじ

ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。 


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低予算で大ヒット、名作ホラーの背後に“この男”あり!



 ホラー映画は、低予算でも高い利益を上げることができるジャンルだ。そもそも、怖がらせることがメインとなれば、高額ギャラの俳優を起用する必要はないし、浮いた資金を、メイクや美術、あるいは特殊技術に回すこともできる。その仕掛けやアイディアがうまく大衆の心に突き刺されば、誰もがのし上がれる。メジャー初挑戦の新人監督や、インディペンデント系の監督、あるいは一度は「もう終わった」と烙印を押されたベテラン監督がヒットを飛ばすことだって夢ではない。


 当然ながら、ジョーダン・ピール監督が放つ『ゲット・アウト』も、近年稀に見る野心的な挑戦だった。これまでコメディアンとして知られてきた彼がホラー映画に挑むのも大きな挑戦ならば、恐怖描写の中に社会風刺的な目線を取り入れる内容もまた挑戦だ。そして、これが見事に大当たり。製作費450万ドルの本作は、世界で2億5300万ドルを稼ぎ出し、ホラー / スリラー映画界に見事なまでの爪痕を残す結果に。作品としての評価はもちろん、ビジネスとしても大成功を収めたのだ。



『ゲット・アウト』(C)2017 UNIVERSAL STUDIOS All Rights Reserved


 この大仕事をプロデュースしたのが、ジェイソン・ブラムという人物である。彼が率いる制作会社ブラムハウス・プロダクションズといえば、今やホラーどころか映画界全体において台風の目と言える存在。ジョーダンの携えた『ゲット・アウト』を企画段階で「面白い!」と評価した先見の明もさることながら、具体的な映画作りの面でも我々がこのブラムの仕事術から学ぶものは大きい。



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