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宇宙のカウボーイ=ハン・ソロを加速させる『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(4DX版レビュー付)※注!ネタバレ含みます。
2018.07.10
西部劇の要素を多用した意図
ルーカスが『新たなる希望』を作るにあたり、“宇宙のカウボーイ”をイメージしたというハンのキャラクター。そのハンを主役に据えた本作で、製作陣が西部劇映画の要素を拝借してキャラクター造形の助けにするという方針は、なるほど理にかなった選択と言えるだろう。
ハンとチューバッカがベケットの盗賊団に加わり、最初に臨む大仕事が、惑星ヴァンドア1を高速で走る貨物列車から貴重な動力源コアキシウムを強奪すること。実力を認めてもらおうと張り切るハンは、連結器の解除、警備兵やエンフィス・ネスト一味との銃撃戦、そして宇宙船の操縦で奮闘する。このスリル満点のシークエンスは、武器や乗り物こそハイテクだが、やっていることは西部劇の定番である列車強盗そのものだ。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
ほかにも、野営地での焚火を前にした自分語り、カードのギャンブル、アウトロー同士による宝の奪い合い、早撃ちの決闘など、ウエスタン映画でよく目にするシチュエーションが頻出する。これらのシークエンスの積み重ねにより、ハンの“カウボーイ”のイメージが強化されているのだ。