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宇宙のカウボーイ=ハン・ソロを加速させる『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(4DX版レビュー付)※注!ネタバレ含みます。

宇宙のカウボーイ=ハン・ソロを加速させる『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(4DX版レビュー付)※注!ネタバレ含みます。


新時代エンタテイメントの模索:4DX版レビュー



 筆者は『ハン・ソロ』の日本公開後、4DX3D吹替版も鑑賞したので、このバージョンのレビューで締めくくりたい。


 調べたところ、『スター・ウォーズ』シリーズの4DXバージョンは過去、2012年の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』デジタル3D再リリース版を皮切りに、2015年の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』以降すべての新作で公開されている。『ハン・ソロ』はシリーズ通算5作目の4DX版となり、効果の適用に関して相応の蓄積があるのだろう。


 4DXの恩恵を最も実感できるのは、乗り物で移動するシークエンスだ。冒頭のスピーダーのチェイスに始まり、先述の列車強盗、そしてもちろんファルコン号で宇宙を駆ける場面で、座席の前後左右の傾きと振動が映像のアクションと見事に同期し、没入感は最高潮に達する。簡単に言えば、ハンや他の登場人物になりきって乗り物に乗っている感覚を味わえるのだ。




 他方、格闘アクションの際の効果はいまだ道半ばという印象だ。ハンが殴られたときに、座席の背もたれから振動が伝わる。この効果、ハンが背中を殴られたときはいいが、腹を殴られた時にも背中に振動を感じるので、その瞬間に没入感がそがれてしまう。


 思わず苦笑してしまったのは、チューバッカが敵の兵を持ち上げ地面に叩きつける場面。ここではなんと、叩きつけられた敵キャラが感じる衝撃を背もたれの振動で再現している。別に敵キャラの視点でアクションを体感しなくてもいいように思うのだが。


 視点という意味では、クレーンに設置されたカメラを上下に動かして撮影するショットに合わせて、座席の傾きが同期する効果も気になった。俯瞰ショットは“神の視点”であり、作り手の監督と撮影監督の視点でもある。カメラの動きに鑑賞者が同期すると、そのたびにキャラクターへの感情移入、没入感が分断されるように思う。その一方で、クレーンに乗って撮影する時はこんな感覚だろうか、と想像する楽しみはありかもしれない。 



 4DX映画における体感と視点の問題は、現在も試行錯誤の部分があるのだろう。それでも、『ハン・ソロ』4DX版は新時代のエンタテイメントを模索する姿勢が確かに感じられた。



文:高森郁哉(たかもり いくや)

フリーランスのライター、英日翻訳者。主にウェブ媒体で映画評やコラムの寄稿、ニュース記事の翻訳を行う。訳書に『「スター・ウォーズ」を科学する―徹底検証! フォースの正体から銀河間旅行まで』(マーク・ブレイク&ジョン・チェイス著、化学同人刊)ほか。



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作品情報を見る



『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

6月29日(金)公開

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.


※2018年7月記事掲載時の情報です。

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