アクション映画の巨匠ジョン・マクティアナン。『プレデター』を名作たらしめた悪夢のような現場とは

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2018.09.20稲垣哲也

『プレデター』あらすじ

捕虜となった政府要人を救出するため、南米のジャングルに派遣されたダッチ率いるコマンド部隊。捕虜奪還に向かった彼らに突如何者かが襲いかかる。その手口は残虐非道で、胴体は消え、血痕もなく、内臓だけが残された。ダッチが見た敵の正体――それはカメレオンのように身体の色を変える、宇宙から来た凶悪なプレデターだった！

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ジョン・マクティアナン逮捕の衝撃

　2006年、映画監督のジョン・マクティアナンはFBIに逮捕された。罪状は偽証。マクティアナンは2001年に監督した『ローラーボール』のプロデューサーを盗聴した容疑で、FBIに虚偽の証言をしたという。長い法廷闘争を経て彼は2013年4月から翌年の2月まで連邦刑務所に収監された。

　『ダイ・ハード』（88）や『レッド・オクトーバーを追え！』（90）などでハリウッドアクションに新風を吹き込んだマクティアナンは80年後半から90年代前半、時代の寵児だった。当時、10代だった筆者も彼の作品には夢中になった。

　そんな彼の逮捕と服役は本当にショッキングなニュースだったが、その後出所したマクティアナンは新作に意欲を見せているという。現在は雌伏の時を過ごすマクティアナンだが、そんな彼の名を世に知らしめた作品こそ『プレデター』（87）だった。

　1986年、ホラー映画『ノーマッズ』（主演はピアース・ブロスナン！）で監督デビューしたマクティアナンはタイトな演出手腕が評価され、『プレデター』の監督に抜擢された。当時、日の出の勢いのスター、アーノルド・シュワルツェネッガーを主演に迎えての大作にマクティアナンの胸は高鳴ったに違いない。しかし、彼を待っていたのは、何もかもが思い通りに行かない地獄のような撮影だった。SFホラー『プレデター』は監督マクティアナンの悪戦苦闘によって生みだされた傑作だったのだ。

冬枯れしていくジャングル！？