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『プレデター』誕生から30年超、今も熱狂的に支持されるモンスターはいかにして産み落とされたのか?

(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『プレデター』誕生から30年超、今も熱狂的に支持されるモンスターはいかにして産み落とされたのか?

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※2018年9月記事掲載時の情報です。


『プレデター』あらすじ

捕虜となった政府要人を救出するため、南米のジャングルに派遣されたダッチ率いるコマンド部隊。捕虜奪還に向かった彼らに突如何者かが襲いかかる。その手口は残虐非道で、胴体は消え、血痕もなく、内臓だけが残された。ダッチが見た敵の正体――それはカメレオンのように身体の色を変える、宇宙から来た凶悪なプレデターだった!


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※本記事の『プレデター』は1987年製作ジョン・マクティアナン監督作品です。


『コマンドー』から発想された『プレデター』



 最も知名度が高く、映画ファンに愛されるモンスターをあげろと言われれば、『 エイリアン』(79)と『プレデター』(87)は確実にトップ5に入るだろう。このモンスター界の二大アイコンが戦ったらどうなるか?という映画ファンの夢想は既に『 エイリアンVSプレデター』(04)で実現されているが、映画『プレデター』はまさにそんな発想の先駆けともいえる映画だった。


 きっかけはシルベスター・スタローン主演の『 ロッキー4/炎の友情』(85)。この作品でソ連の怪物ボクサー、ドラゴを倒したロッキーは無敵のキャラクターになっており、「ロッキーの次の対戦相手はエイリアンくらいだろう」というジョークが業界内で交わされていた。このジョークを真に受けて書かれたのが『プレデター』の脚本だった。


 プロデューサーのジョエル・シルバーはすぐさまこの脚本を買い取り、映画化を進めた。主演は『 コマンドー』(85)でヒットを飛ばしていたアーノルド・シュワルツェネッガー。彼が抜擢された理由は実は『コマンドー』にあったとも言われる。『プレデター』でシュワルツェネッガーが演じた特殊部隊のリーダー、ダッチは2年前に演じた『コマンドー』のメイトリクス大佐のキャラクターをほぼ引き継いでおり、しかも『コマンドー』と『プレデター』は両作ともにヴァル・ヴェルデという南米の架空の国を舞台にしている。つまり、二つの作品は世界観を共有したパラレルワールドのようなもので、『コマンドー』で100人もの敵を皆殺しにした最強兵士がエイリアンと戦ったらどうなるか?という、中学生的発想で作られた映画が『プレデター』だったのだ。



『プレデター』(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.


 『プレデター』はジャングルの中でハンター型異星人に特殊部隊の兵士が一人ずつ殺されていき、最後はシュワルツェネッガーとの一騎打ちになるというシンプルなストーリーだが、タイトな演出と編集で飽きさせない。そしてなんといってもこの映画の成功に多大な貢献をしたのはプレデターというユニークな個性を備えたモンスターだったことは間違いない。ではプレデターは如何にして生み出されたのか?



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