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『プレデター』誕生から30年超、今も熱狂的に支持されるモンスターはいかにして産み落とされたのか?

『プレデター』誕生から30年超、今も熱狂的に支持されるモンスターはいかにして産み落とされたのか?

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撮影当初は全く別ものだったプレデターのデザイン



 当時、新人監督だったジョン・マクティアナンは、プレデターのデザインに大いに頭を悩ませたという。「異星人を想像した時に、いかにも存在しそうな点でずば抜けているのはギーガーのエイリアンだけだ。恐ろしい異星人像の中でも群を抜いているからね。当分あれは超えられない。異星人を扱った映画を撮るなら全く独創的なものが絶対必要だった」


 エイリアンとは大きな差別化を図りたいという監督の思いを受け、苦心の末にデザインされた最初のプレデターは、細長いバッタのような顔を持つものだった。このデザイン画は今見ても首を傾げざるをえないものだが、マクティアナンはこれを気に入りゴーサインを出し、実際にモンスタースーツを製作。メキシコの撮影現場に持ち込んでテスト撮影を始めたが、すぐに投げ出してしまったという。


 出来上がったスーツはマクティアナンのイメージとかけ離れており、画にならなかったという(テスト撮影の写真を見るかぎりかなり正確にデザイン画を再現しているように見えるが…)。ちなみにこの時のスーツアクターは、ジャン・クロード・ヴァンダム。彼は得意のマーシャルアーツを駆使して、シュワルツェネッガーと戦う予定だったが、そのような設定がなくなったことで降板した。


 このままでは、映画自体が頓挫してしまう。急遽エイリアンスーツは一からデザインしなおされることになった。それを任されたのは、『 ターミネーター』のサイボーグをデザインしたSFXクリエーター、スタン・ウィンストン。ウィンストンはまず絵コンテをじっくり見てから、2週間ほどかけてデザインを試行錯誤。その結果生まれたのがドレッド・ヘアで顔の正面に不気味なアゴが付いた「プレデター」だった。マクティアナンは語る。




 「ドレッド・ヘアだからと言って、アフリカ系アメリカ人を連想する姿でないのも良かった。プレデターの姿に関して特定の人種を連想させるものを認めるつもりはなかったからね。スタンのデザインに製作者たちは大喜びした。私たちの想像を超えたものだったよ」


 しかし、このエイリアンは劇中のほとんどのシーンでヘルメットを被ることになった。それは口元を動かすシーンを少なくするためだった。プレデターの顔の各筋肉を動かすためには10名ものスタッフが必要で、それぞれが各部位を操作するリモコンを持ってプレデターの表情を作りだす。登場するたびにそんな手間をかけている予算も時間もなかったのだ。しかし、あのヘルメットがあるからこそプレデターはモンスターとして類まれなるキャラクターを獲得できたと言えるだろう。鉛色に鈍く光る武骨なヘルメットは、先進技術を持ちえる知性と、『13日の金曜日』シリーズのジェイソンのような獣性を、同時に表現すことに成功したからだ。



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