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『四月の余白』二つの<究極>が織りなす、衝突と可能性の軌跡

©2025 N.R.E

『四月の余白』二つの<究極>が織りなす、衝突と可能性の軌跡

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※吉田監督の『よし』は土に口です。


 吉田恵輔監督の新作『四月の余白』(26)は、青少年の更生という非常に深刻な題材を扱いながらも、いざ見始めると観る者を想像以上に強く惹きつける一作だ。


 ただ単純に「感動した」というよりも、「翻弄された」という言い方が正確かもしれない。殴る蹴るといった暴力はもちろん描かれるし、怪我もする。血も流れる。しかし、根底にはヒリヒリするほどの実直な人間ドラマが深く織り込まれ、それでいて予期せぬコミカルなやりとりに思わず笑ってしまう場面も多い。


 これだけ翻弄されてなお、私たちに“行き着く果て”を見届けたいと思わせる理由は何か。それはひとえに、作品を通じてぶつかり合う二人の主人公が共に「究極」だからだろう。一人は、他人の痛みが分からない究極の問題児。もう一人は、更生のためなら体罰も辞さないフィジカル最強の究極の施設指導員。脚本上の予定調和や伏線回収の域を越え、我々はこれら荒々しい魂の衝突にひたすら目を奪われる。


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指導員と問題児の対峙



 格闘家に匹敵するほどの屈強な体格を持つ男、西健吾(一ノ瀬ワタル)。元半グレ、元受刑者でもある彼は、今では更生施設「みらいの里」を運営し、トレードマークである満面の笑みを絶やすことなく、様々な問題を抱えた少年少女たちと日々向き合っている。


 彼には極めて明確なポリシーがある。それは、必要であれば体罰による指導を辞さないこと。当然ながら、このご時世では批判の集中砲火を浴びかねないものだ。しかしそんな西だからこそ、学校や家庭から藁にもすがる思いで頼られることも多い。そこに登場する究極の少年が、海斗(上阪隼人)だ。



『四月の余白』©2025 N.R.E


 授業中もお構いなしで暴れ、教師の目を気にすることなく暴力を振るい、夜には地元の半グレとつるんで問題行動を連発する。しかもいちばん厄介なのは、彼が人の痛みを全く理解していないことだ。だからこそ彼の暴力は一線を越えている。この現状に、周りの大人たちは見て見ぬふりをすることもできるだろう。しかし、それだと将来的な彼の行き場はあまりに目に見えている。教師や家族は腹を決め、海斗を西のもとへ託すのだがーー。




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