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『ワンダーウーマン』時代設定を変えたのは何故?大胆な決断に込められた二つの狙い

(c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

『ワンダーウーマン』時代設定を変えたのは何故?大胆な決断に込められた二つの狙い

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1910年代を生きる女性たちを描いた『未来を花束にして』



 ちなみに、近年、まさにその1910年代の婦人参政権運動をテーマにした映画が公開され話題を呼んだ。それが『未来を花束にして』(15)である。


 この映画では女性運動のカリスマ的存在だったエメリン・パンクハーストを名女優メリル・ストリープが演じている。また、徐々にその活動へと身を投じていく主人公を、キャリー・マリガンが熱演。女性たちがそれぞれに様々な想いを抱え参加したこの活動は、やがて器物損壊やハンガーストライキにまで発展するなど激しさを増し、それを阻止しようとする当局との膠着状態を生み出していく。結果的にこういった気風の高まりによって1918年には英国で30歳以上の女性の参政権が認められるなど、現代へと通じる突破口が生まれた。


 原題の”Suffragette(サフラジェト)”は「参政権運動の活動家」を意味する言葉。『ワンダーウーマン』には具体的な運動の描写はないにしても、女性の権利が制限されている様子は随所で描かれるし、セリフにも込められる。この作り手たちの意図を汲み取る上でも、同じ年代の、同じロンドンを舞台にした映画として、『未来を花束にして』には一見の価値があるはずだ。



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