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『ヒューゴの不思議な発明』 オートマトン(自動人形)の謎と幸福なフィナーレ

『ヒューゴの不思議な発明』 オートマトン(自動人形)の謎と幸福なフィナーレ


オートマトンの撮影



 スコセッシは劇中のオートマトンを、CGではなく実際に稼働する“本物”で撮ることにこだわった。そこで、英イースト・モールジーにあるプロップ制作会社の ディック・ジョージ・クリエイティブズ社が、修復段階の違いや用途に応じて15体もの 全身モデルを作成した。また頭部は、表情を微妙に変えたものが数多く作られ、その中で監督のイメージに合った2つがスクリーンに登場している。


 劇中でこのオートマトンは、『月世界旅行』の絵(*8)を描く。だが実際に、このような 複雑な絵を描くメカニズム開発をしていたのでは、撮影に間に合わせることなど到底できない。そこでプロップメーカーの マイケル・パーキンが、ケンペレンのタークに似たトリックを思いつく。彼はコンピューターに絵の座標を入力し、昔の X-Yプロッターに似た機構でテーブルの下の磁石を動かした。すると、この磁石に引っ張られたオートマトンの腕が、紙の上を移動する仕組みだった。



(C) 2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved.TM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. 


 このオートマトンが線路にスローモーションで落下するシーンでは、CGも活用されている。ピクソモンドは、アクションシーン用に軽く作られたオートマトンをレーザースキャンし、デジタルの複製を作り上げた。また同社はこのデーターを用いて、ヒューゴの身体がオートマトンに変化していく悪夢シーンも作っている。


*8 メリエスが描いた様々な映画の コンセプトアートは、彼によってクローゼットの隠し扉にしまわれていた。だが、イザベルがこれを発見したことからメリエスが激怒し、部屋中に撒き散らされる。この場面は、実際にメリエスが描いたデッサンを、ピクソモンドがCG化したものだった。メリエスは若いころ、 ギュスターヴ・モローから個人的に絵画を学んでいたことがあり、プロ並みの画力を持っていたのである。そしてこのように、映画の実制作に入る前にコンセプトアートを描くという行為は、メリエスが最初だったのではないだろうか。



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