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『ヒューゴの不思議な発明』 オートマトン(自動人形)の謎と幸福なフィナーレ

『ヒューゴの不思議な発明』 オートマトン(自動人形)の謎と幸福なフィナーレ


現在の3D業界



 このように『ヒューゴ…』は、スコセッシが映画のパイオニアたちへ捧げた尊敬のまなざしと、3D映像への愛が満ち溢れた幸福な作品となった。では、この映画が作られるきっかけとなった第三次3Dブームはどうなったのか。


 現在、日本国内では3D映画の制作本数がめっきり減り、3D放送や3Dテレビの販売終了で、ブームの終りを告げる報道も見られる。これは韓国などでも同様だ。一方米国では、3D映画の制作本数が2014年に年間47本を記録し、その後は平均年35本で安定している。現在もブロックバスター作品のほとんどは3Dバージョンが用意されており、映画に関してはほぼ完全に定着したと考えられる。



(C) 2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved.TM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. 


 さらに中国に至っては、ずっと上昇傾向にある。現在、全世界の映画興収の内、中国全土の興収が70%を超える。その内3Dスクリーンからの興収が45%を占めている。つまり、2Dと3Dを合わせた全世界興収の約半数が、中国の3D興収のみから得られていることになる。さらに2022年には、中国全土で4万以上の3Dスクリーンが稼働すると予想されている。これは2014年の全米における、2Dと3Dのスクリーンを合わせた数に匹敵するのだ。つまり世界的に見ると、まだまだ3Dブームは終わっていないのである。


【参考文献】

マドレーヌ・マルテット・メリエス 著: 「魔術師メリエス‐映画の世紀を開いたわが祖父の生涯」フィルムアート社(1994)

・展覧会カタログ「ジョルジュ・メリエス 夢と魔法の王国」朝日新聞社(1995)

ジョルジュ・サドゥール 著: 「世界映画全史③ 映画の先駆者たち メリエスの時代1897‐1902」国書刊行会(1994)

ロバート・スクラー 著: 「アメリカ映画の文化史‐映画がつくったアメリカ〈上〉」講談社(1995)

「Cinefex No.24 日本版」ボーンデジタル(2012)

ゲイビー・ウッド 著: 「生きている人形」青土社(2003)

トム・スタンデージ 著: 「謎のチェス指し人形『ターク』」エヌティティ出版(2011)

ブライアン・セルズニック 著: 「ユゴーの不思議な発明」アスペクト(2012)

ブライアン・セルズニック 著: 「ヒューゴの不思議な発明 公式ガイドブック」アスペクト(2012)

Blu-ray「月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術」紀伊國屋書店(2012)

Blu-ray「ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット」パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン(2012)


文:大口孝之 (おおぐち たかゆき)

1982年に日本初のCGプロダクションJCGLのディレクター。EXPO'90富士通パビリオンのIMAXドーム3D映像『ユニバース2~太陽の響~』のヘッドデザイナーなどを経てフリーの映像クリエーター。NHKスペシャル『生命・40億年はるかな旅』(94)でエミー賞受賞。最近作はNHK Eテレ『コングラ CGの教室』(18)の監修。VFX、CG、3D映画、アートアニメ、展示映像などを専門とする映像ジャーナリストでもあり、映画雑誌、劇場パンフ、WEBなどに多数寄稿。デジタルハリウッド大学客員教授の他、東京藝大大学院アニメーション専攻、日藝映画学科、日本電子専門学校などで非常勤講師。



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『ヒューゴの不思議な発明』

Blu-ray:2,381円+税/DVD:1,429円+税 発売中

発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

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