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シリーズ屈指の傑作『007 スカイフォール』にみる、シェイクスピア、黒澤明、『ダークナイト』

シリーズ屈指の傑作『007 スカイフォール』にみる、シェイクスピア、黒澤明、『ダークナイト』

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シリーズ50周年の節目に公開された異色作



 『007 スカイフォール』は、映画史に燦然と輝く「007」シリーズの第一弾『ドクター・ノオ』(62)から50周年となる節目に公開された作品だ。


 その記念碑的な意味合いもあって、本作で描かれるストーリーはいつもとだいぶ様子が違うものだった。通常ならば冒頭、「ガン・バレル・シークエンス」と呼ばれる、ボンドがスクリーンを横切りつつこちら側へ振り向いてバキューンと一発銃弾を放つお決まりの映像で幕を開けるのだが、今回はそれも無し。


 もちろんストーリーも波乱づくしだ。トルコで繰り広げられる冒頭のミッションは失敗に終わり、ボンドは瀕死の状態に陥り、やがては00ナンバーのスーパーエージェントのみならず、MI6そのものが存続の危機へと陥っていく。テーマとして浮かび上がってくるのは、古きものと新しきものとの相克、世代交代、新陳代謝。老い、死。なおかつ、50年間も走り続けてきたヒーローの存在価値について自問する「原点回帰」的な意味合いも強い。



SKYFALL(C)2013 Danjaq, LLC, United Artists Corporation, Columbia Pictures Industries, Inc.


 もとよりイギリス文化が人気を集める理由はその伝統と革新性にあると言われる。歴史あるものほど過去の価値に縛られず、確たるものを巧みに継承しつつ、しなやかに進化を遂げていく。だからこそ長く愛される。50年の伝統を誇る「007」シリーズについても同じことが言え、つまるところ我々はこの『スカイフォール』で、まさに伝統が進化する瞬間に立ち会うことができるのだ。



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