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『荒野にて』 少年と馬の境遇が映し出したのは、現代の“アメリカ”

『荒野にて』 少年と馬の境遇が映し出したのは、現代の“アメリカ”


『荒馬と女』との類似点



 本作に非常に近しい作品が、アメリカ映画にある。それは、マリリン・モンローとクラーク・ゲーブルの最後の出演作品となった、名匠ジョン・ヒューストン監督、アーサー・ミラー脚本の『荒馬と女』(61)である。


 ゲーブルが演じるのは、ゲイという名の、初老だがハンサムで頼もしく見えるカウボーイ。彼は町でモンロー演じる魅力的な女性ロズリンと出会い、二人は田舎の家で暮らし始める。だがロズリンはカウボーイの粗野な行動を目撃し、戸惑うことになる。


 二人がロデオ大会で出会ったカウボーイの青年(モンゴメリー・クリフト)は、ロデオの競技で振り落とされ頭を強打するが、内出血を起こしてるかもしれない状況で、また競技に参加しようとする。彼を本気で心配し、「病院に行った方がいい」と繰り返すロズリンの主張は、周囲の誰からも無視される。どうやら、そのように振る舞うのが「男らしい」態度であり、ロズリンにいい格好を見せることができると、彼らは考えているようなのだ。


 しかし、ロズリンは逆に彼らのそんな“男らしさ”に反発するようになっていく。そして、野生の馬を乱暴に捕まえようとする彼らのビジネスを見て、ついに本気で怒り出す。その姿に、一部の男たちの心は揺るがされていく。




 『荒馬と女』(原題 “The Misfits ザ・ミスフィッツ”「適応できない者たち」) が描いているのは、近代化され、考え方が進歩的になっていくアメリカ社会のなかで、昔ながらの生き方をしている人物たちが、そのままでは生き方づらくなってきたという状況である。アメリカの象徴が、アメリカの実相とは異なる前時代的なものになってしまったのだ。



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