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『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』演技未経験に子役から名優まで、常識破りのキャスティングがもたらす個性のハーモニー

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』演技未経験に子役から名優まで、常識破りのキャスティングがもたらす個性のハーモニー

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強烈すぎるほどの個性が輝き合う、ベイカー・レインボー



 この映画は目の覚めるような多彩な色彩に満ちている。パープルともピンクともつかない色合いのモーテル、フロリダ特有の強烈な陽光、気持ちのいい青空、ヴィヴィッドな色彩のTシャツ、ピンク色のビニル袋。これらのパステルカラーのハーモニーは監督の名前を冠して「ベイカー・レインボー」とも形容されるほどだ。実に不思議なことに、それらは一見、バラバラで強烈すぎるほどの個性の集まりでありながら、各々がしっかりと輝き、存在感を主張しあうことで奇跡的なまでの一体感を生み出してやまない。


 そして本作を俯瞰するとき、「レインボー」は単なる色彩のみならず、いわば一つの概念として、他にも様々なレベルにおいて出現していることに気づくはず。中でも際立つのが、ユニークな出演者たちがもたらすハーモニーだろう。




 そこには子役もいれば、現地のオーディションで採用された一般市民もいる。さらにはこの映画のために見出された演技未経験の逸材も登場する。こういった多彩なカラーを持った人々がスクリーンの中で相まみえる時、果たしてどのような化学反応が起こるのだろう。成功するのかどうかは一か八か。できるだけリスクを避けたいプロデューサーや映画会社から言わせれば、それは賭けにも等しい行為として映るかもしれない。


 しかしインディペンデントな映画作家であるショーン・ベイカー監督は迷わずその境地へと飛び込んだ。前作『 タンジェリン』に引き続き、彼は経験を問わず様々なタイプの個性が入り乱れるこの方法こそ、この映画のあるべき姿、そして映画を成功へと導く鍵だと判断する。その結果、本作は深刻な社会問題を扱いながらも、実に創造性豊かで開放的な印象をもたらす傑作として、カンヌでのお披露目以降、世界中の観客の心にまで美しい虹をかける存在となったのだ。



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