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『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』演技未経験に子役から名優まで、常識破りのキャスティングがもたらす個性のハーモニー

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』演技未経験に子役から名優まで、常識破りのキャスティングがもたらす個性のハーモニー


オーディション会場に舞い降りた二人の天使たち



 では、具体的にはそのキャスティングは、一体どのように行われたのだろう。とりわけ規格外のパワフルさを持った、あの子どもたちを見つけるのは至難の技だったはず。


 当のベイカー監督は、ハリウッドでキャスティングされた子供をフロリダに招聘するなんてことは絶対にしたくなかった。それゆえ現地の俳優事務所に相談したり、地元紙に募集広告を出したり、または路上で声をかけたりしながら、なんとか現地の子供を起用しようと奔走した。が、どれだけオーディションを重ねるも、なかなか逸材が見つからなかったそうだ。


 ベイカーが考える逸材とは「現代版のスパンキー・マクファーランド」。実は本作『フロリダ・プロジェクト』は、1930年代から40年代にかけて制作された短編シリーズ「The Little Rascals」から大きなインスピレーションを受けていると言う。舞台は大恐慌時代のアメリカ。大人たちが毎日の糧を得るのに必死に苦労する中、子供たちはというと、彼らならではのユーモアと冒険魂をフル回転させながら、毎日を元気たっぷりに生き抜き・・・。その中心となる子供を演じたのが「スパンキー・マクファーランド」という子役だったのだ。


 撮影開始までもう2か月を切っていた。しかし「これだ!」という子供はまだ見つからない。「現代版マクファーランドが見つかるまでは映画は作らない!」とまで宣言したベイカーは徐々に追い詰められていく。が、そんな彼のもとにある日、二人の天使たちが舞い降りることに。




 それはやがてムーニー役を射止める女の子ブルックリン・キンバリー・プリンスと、彼女の親友スクーティ役となるクリストファー・リヴェラだった。この時のオーディションで二人は運命的なタッグを組む。まだ開始前なのに、二人ともハッスルして「気持ちを高めなきゃ!」とクリストファーがいきなり床に突っ伏して腕立て伏せを始めたかと思うと、ブルックリンも合わせてスクワットを始めたという。ショーン・ベイカー監督とそのスタッフは、目の前でちびっこたちがブートキャンプをおっぱじめた光景にぶっ飛んだという。この瞬間、その場にいた誰もが心の中で「採用」のプラカードを挙げた。二人はもう、オーディションが始まる前からぶっちぎりの勝者として役を勝ち取ったのだ。



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