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映画の力でインドの観客を圧倒。超大作『パドマーワト 女神の誕生』にみるインド映画の“事件”

映画の力でインドの観客を圧倒。超大作『パドマーワト 女神の誕生』にみるインド映画の“事件”


動くレンブラント! 妥協無き映像!



 『パドマーワト 女神の誕生』は13世紀の、乱世のインドを舞台にした作品である。小国メーワールの王ラタン・シンと結婚したシンガール国の王女パドマーワティだったが、彼女の美貌を噂に聞いた軍事国の王アラーウッディーンはパドマーワティを我が物にしようと画策する。


 映画が始まると、閉塞感のある城壁に囲まれた砦に、獣の肉を骨から刮ぎ喰らういかにも悪人面な男が映し出される。そこへ、荒々しくドアを叩く音と共に光が差し込み、その光を背に巨大なダチョウが入ってくる。そのダチョウの後ろから、垢じみて薄汚れてはいるが、端正で野心を滲ませた眼力の強い男が現れる。アラーウッディーンの登場だ。


 強いコントラストの陰影の中に、禍々しくも淡い上品な色使いの情景が立ち上がる。この最初のシーンから観客は映画の世界に引き摺り込まれる。




 続いて、蔦の這う森の中を飛ぶように駆け抜けるパドマーワティと、賓客としてメーワール国に訪れていたラタン王のしっとりとした恋愛模様と幸せな結婚風景がインド映画らしい豊かな情景で描かれる。それら全ての場面が、額装して飾りたくなるような美しさで表現されているのだ。


 これらは、バズ・ラーマン監督が『ムーラン・ルージュ』(01)や『華麗なるギャツビー』(13)で目指したスタイルである。ただし、バズ・ラーマンのファインアートじみた煌びやかに眩しい情景とは違い、本作はレンブラントを彷彿とさせる、淡い色調と陰影のコントラストで観る者を惹きつけるのだ。


 本作は完璧にまで完成された映像でパドマーワティとラタン・シン、アラーウッディーンの3者それぞれの“戦い”を描いていく。しかし、監督の過去作品を追いかけてきたファンや、主演2人の関係を知る者にとっては、この物語から別の意味が立ち上がってくるのだ。



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