2019.01.01
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かつてないインド映画の登場
インドで歴代興行収入1位、アメリカでは初登場3位を記録するなど、インド映画として未曽有のヒットを成し遂げ、伝説的な存在となった『 バーフバリ2 王の凱旋』。圧倒的な面白さで観客を熱狂の渦へと巻き込み、めまいすら覚える恍惚の世界へと導いた大スケールの娯楽巨編だ。
日本でもバーフバリの熱狂的ファンが多数生まれ、異例のロングランを達成するばかりでなく、前作『 バーフバリ 伝説誕生』とともに、上映時間の長い「完全版」があらためて公開されるという事態が起こった。さらには声をあげて登場人物を応援する「絶叫上映」や、観客が踊ったり紙吹雪が舞うインド風「マサラ上映」が行われ人気を博すなど、カルト的な人気も獲得した。監督のS・S・ラージャマウリを始め、悪役バラーラデーヴァを演じた俳優ラーナー・ダッグバーティや、クマラ・ヴァルマを演じたスッバラージュなども、それぞれ来日を果たした。
世界で高い評価と人気を獲得し、北朝鮮でもヒットするなど、本作の魅力は古今東西、隔てのない普遍性を持つことが証明されたといえよう。しかし、なぜ本作は、ここまでの熱狂を生み出したのか。同じく熱狂させられてしまった一人として、『バーフバリ 伝説誕生』、『バーフバリ2 王の凱旋』2部作の凄さとは何だったのかを、ここであらためて考えてみたい。