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徹底的にこだわった“KAIJU”とロボット、『パシフィック・リム』にみるギレルモ・デル・トロの日本カルチャー愛

徹底的にこだわった“KAIJU”とロボット、『パシフィック・リム』にみるギレルモ・デル・トロの日本カルチャー愛


100体の候補から、1年以上かけて細部までをデザイン



 その他のイェーガーとして、オーストラリアのストライカー・エウレカ、中国のクリムゾン・タイフーン、ロシアのチェルノ・アルファなどが登場するが、これらの完成に至るまでかなり長い時間をかけたことを、ギレルモは告白する。


 「僕らはまず100体くらいロボットのシルエットをデザインした。そこから毎週のように、候補を絞っていったんだ。『アメリカン・アイドル』のような形式でね(笑)。だいたい2ヶ月くらいでメインのデザインが絞られてきて、各イェーガーのキャラクターが浮かび上がってきた。たとえばエレガントなラインのシルエットは、日本のタシット・ローニンにふさわしい、といった具合にね。




 それからさらにデザインの細部を決めていく。チェルノ・アルファは、ソ連時代のTシリーズの戦車や原子炉を取り入れ、クリムゾン・タイフーンは中世の中国の鎧をモデルに、色はゴールドと深紅。その頃には各イェーガーの特質も決まりだし、冷静にパワーを使うタイプのジプシー・デンジャーは、戦闘モードが前面に出ている性質については、ストライカー・エウレカの方に移行させたりした。さらに、どこから燃料を入れ、どうやって充電するかという細かい機能を追加していき、「危険」「充電完了」などの文字のサインも入れる。


 デザイン決定までに4~5ヶ月、そこから各国への振り分け、機能の決定までさらに5~6ヶ月をかけて、すべてのデザインが完成されていったんだ」


 「イェーガー」という総称は、ギレルモによると「初期のテクノロジーが、ドイツで開発されたという設定にしたから」ということ。イェーガーはドイツ語で戦闘機や戦車を意味する。




 ギレルモのスタジオで、さらに目を引いたのは、テーブルに置かれたフィギュアの数々だった。大きさ約1mほどのKAIJUたちである。もちろんCG用のモデルとして作られたのだが、ギレルモは「映画のための作成というのは建前で、本来の目的は僕のコレクションのため」と、子供のような無邪気な笑顔をみせる。


 フィギュアの横には巨大なナマコのような物体が置かれており、ギレルモによると「これはKAIJUの分泌腺」とのこと。腸や心臓、脳はもちろん、KAIJUの皮膚にうごめく寄生虫までデザインしたというから、筋金入りのオタク気質である。こうした細部は、完成作のKAIJUの死骸が横たわるシーンで確認することが可能だ。


 ギレルモが日本の怪獣キャラで好きなものは「バルタン星人やピグモンのクレイジーな感じ、そしてバラゴンの美しいフォルム」だそうだが、『パシフィック・リム』のKAIJUは、日本の怪獣はできるだけ頭から取り払って考えたという。そしてKAIJUという名は、原案となったトラヴィス・ビーチャムの短編にすでに書かれていたことも付け加える。




 ちなみにイェーガーやKAIJUの「大きさ」は、250フィート(=76.2メートル)が適切だったとギレルモは語る。飛行機や自動車や船、そして劇中にも登場するゴールデン・ゲート・ブリッジと対比させた結果、そのサイズに落ち着いた。



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