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『追跡者』20年以上経った今こそ見直したい、堅物ジョーンズと異端児ダウニーJr揃い踏みアクション

(c)Photofest / Getty Images

『追跡者』20年以上経った今こそ見直したい、堅物ジョーンズと異端児ダウニーJr揃い踏みアクション

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ベアード監督が本編ドラマ以上に力を注いだ墜落アクション



 映画『追跡者』は、前作の展開をさらにスケールアップして提示した構成が特徴的だ。


 例えば、囚人移送機をめぐるド派手な墜落アクションは、前作における囚人移送車クラッシュの発展形であることは一目瞭然。これら難易度のハードルを何段階も引き上げた破格のシーンをいかに表現するかは極めて重要なところだが、その点、ハイジャック犯と特殊部隊との攻防を描いた『エグゼクティブ・デシジョン』(96)のスチュアート・ベアード監督の手により、誰もが熱狂するハイボルテージな名場面として仕上がっている。


 ベアードの経歴を紐解くと、『エグゼクティブ〜』で監督デビューする前は編集マンとして腕を鳴らしていたようだ。それこそ、キャリア初期には飛行シーンやヘリの不時着シーンで名高い『スーパーマン』(78)を経験し、80年代終わりには航空アクションの新時代を切り開いた『ダイ・ハード2』(90)でも名を連ねている。それゆえ、誰よりもこのジャンルの“魅せ方”を熟知したエキスパートと言えるだろう。



『追跡者』(c)Photofest / Getty Images


 ただ、ベアード監督が情熱を燃やしたこのクライマックス級のインパクトが「序盤」に来るので、初めて観る方にとっては残りの3分の2が尻すぼみしていくように感じられるとの声も聞く。むしろ二度目、三度目の鑑賞になって初めて、我々はこのシーンの凄さを冷静に受け止められるのかもしれない。ちなみにベアード監督、後年になってもう一本だけ映画を撮ると、さっさと編集マンに戻ってしまった(『カジノ・ロワイヤル』(06)『スカイフォール』(12)など)。監督業に嫌気がさしたのか。それとも、やりたいことをやり尽くしてしまったのだろうか。



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