1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. スイス・アーミー・マン
  4. 『スイス・アーミー・マン』誰が作ったんだこんな映画!?大注目の新人監督ダニエルズとは?
『スイス・アーミー・マン』誰が作ったんだこんな映画!?大注目の新人監督ダニエルズとは?

『スイス・アーミー・マン』誰が作ったんだこんな映画!?大注目の新人監督ダニエルズとは?


リビドーが暴走しまくる“死体コンパス”の原点


 もう一本、“ダニエルズ”の出世作となったミュージックビデオを挙げておこう。フランスのヒップホップ&EDM系ミュージシャンDJ SnakeとラッパーLil Johnのコラボ曲「Turn Down For What」。「盛り下がってる場合じゃねえぞ!」と息巻く相当なアゲアゲソングだ。




 このビデオと『スイス・アーミー・マン』の共通するのは“暴れ出すリビドー”である。「Turn Down For What」は、ビルの屋上に立っているアジア系の男(ダニエル・クワン)の姿から始まるのだが、曲のビートに合わせて、スウェットウェアの股のあたりがズキンズキンと大きくなり始め、やがてその股間のパワーで屋上のコンクリをぶち破って階下の部屋に乱入するのだ。もう一度言う、“股間のパワーで屋上のコンクリをぶち破る”のである!


 股間といえば、『スイス・アーミー・マン』の“役に立つ死体”ことメニーくんの便利機能のひとつ。死んでいたはずのメニーが恋の喜びを思い出すと、股間がビキーンと人里の方角をコンパスのように指してくれるのだ。なんたるバカげた下ネタかと思うが、「恋する人に会いたい、生きたい」という原初の想いがリビドーと直結しているという、身もフタもないからこそ説得力のある描写でもある。


 「Turn Down For What」では、さらに暴れ回るリビドーに触発されて階下のインド系女子の尻が暴れ出し、さらに下の階のおばさんの両乳が暴れ出し、股間と尻と乳がバトルロイヤル状態という訳のわからないパーティーへとなだれ込んでいく。このアッパー過ぎるハイテンションな芸風は『スイス・アーミー・マン』ではまだ炸裂していなかったので、“ダニエルズ”が近い将来手がけるであろう長編映画の2作目、3作目辺りで存分に発揮される日を心待ちにしたい。



文: 村山章

1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。



今すぐ観る



作品情報を見る


2017年9月22日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

公式サイト : http://sam-movie.jp/

(c)2016 Ironworks Productions, LLC.


※2017年9月記事掲載時の情報です。

PAGES

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

関連する商品

  • 「マンチェスター・オーケストラ」アンディー・ハルとロバート・マクダウェルが音楽を担当『スイス・アーミー・マン Soundtrack』
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. スイス・アーミー・マン
  4. 『スイス・アーミー・マン』誰が作ったんだこんな映画!?大注目の新人監督ダニエルズとは?