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初脚本でオスカー受賞。脚本家マイケル・アーントが『リトル・ミス・サンシャイン』で魅せた魔法

初脚本でオスカー受賞。脚本家マイケル・アーントが『リトル・ミス・サンシャイン』で魅せた魔法


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個性バラバラの6人を乗せてミニバスが行く!珠玉の名作の誕生



 一度目にすれば、電流を帯びたみたいに魅了される。いったい私たちは、本作に登場する6人とあのバスに、どれほどの元気と笑顔をもらったことだろう。


 2006年に生まれた『リトル・ミス・サンシャイン』は、サンダンス映画祭で上映されるや観客たちの心を惹きつけ、温かな陽光が広がるかのように、じわじわと口コミを広げていった。製作費はハリウッドだと低予算の部類に入る800万ドル。それが全世界で1億ドル以上を稼ぎだすヒット作になり、やがてはアカデミー賞で4部門にノミネートされ、脚本賞と助演男優賞で栄えあるオスカーを獲得。その感動はあれから12年が経った今でも全く古びることなく、時を超えてファンたちの胸を打ち続けている。


 本作を手掛けたのはジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリスという夫婦監督だ。ミュージックビデオやCMなどで知られる二人とってこれが商業映画の監督デビュー作。長編進出にふさわしい題材を探していた彼らの元に一本の脚本が届けられたのは2001年のことだった。事前に聞いていた「あらすじ」に興味が持てず、その脚本をしばらく放置していたという彼ら。だが、いざ読み始めると、二人はその面白さにグイグイ引き込まれていった。コメディなのにコメディじゃない。かといってドラマかといえば、その枠に収まりきれないくらいの笑いがいっぱい。何よりも彼らに「これだ!」と確信させたのは、一人一人のキャラクターがとても活き活きと個性豊かに描かれていたところだった。



 冒頭のさりげないイントロダクションも実に巧い。幼い少女はただひたすらミスコンの優勝を目指し、父親は人生の「勝ち組」になることに囚われ、母親はバラバラな家族を取り持とうと必死で、兄はニーチェに心酔するあまり喋るのをやめた。その上、おじいちゃんはポルノとヘロインが大好き。失恋した叔父さんは自殺未遂の末、両手首に包帯を巻いている始末————。


 ここに登場する誰もが、まるで私たちの周りに本当に実在するかのようなリアルさを持っている。そして、家族なのにバラバラ。かと思えば、いざという時には互いを思いやり、心を一つに重ね合わせ、強烈な団結力を発揮する。それらが織りなす全体のカラーやトーンが決め手となって、デイトン&ファリスはこの脚本に自分たちの運命を委ねようと心を決めたのだ。



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