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『クレイマー、クレイマー』ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリーは、いかにして歴史に残る名演を生み出したのか?

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『クレイマー、クレイマー』ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリーは、いかにして歴史に残る名演を生み出したのか?

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『クレイマー、クレイマー』あらすじ

仕事第一の男テッドがある夜遅く帰宅すると、荷物をまとめた妻ジョアンナが彼を待ち受けていた。「誰かの娘や妻ではない自分自身を見つけたい」と言い残し、彼女は去って行った。息子とニ人残されたテッドは、失意のなか家事に奮闘。数々の失敗やケンカを乗り越えて父と子の間に深い絆が生まれた頃、息子の養育権を主張するジョアンナがテッドのもとをを訪れた…。


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クリスマス・シーズンに公開された珠玉の家族映画



 1979年12月に全米公開された本作は、家族とともに穏やかに過ごすこのシーズンに打ってつけの作品だった。


 本作が問いかけてくるものは実に多い。家族とは何か。理想の家庭とはどんなものか。夫は仕事に情熱を捧げ、妻は家事や子育てに専念するものなのか。二人の心はどこですれ違ったのか。どうすれば分かり合えるのか。こんなに息子のことを愛しているのに、どうして夫婦は争わなければならないのか・・・。


 結果的に、社会現象と呼べるほどの大ヒットを巻き起こした背景には、観客にとってこれらの問題が、全くの他人事とは思えなかったという事情があるのだろう。誰もが心のどこかで我が身に置き換えて受け止め、何が家族にとって最善の道なのか、自分たちならどうしただろうかと答えを模索しようとした。その意味で、これは70年代の終わり、80年代の始まりの空気を的確に捉えた、観客にとっての「私たちの作品」だった。


『クレイマー、クレイマー』予告


 アカデミー賞では作品賞をはじめ、主演男優賞(ダスティン・ホフマン)、助演女優賞(メリル・ストリープ)、監督賞、脚色賞を受賞。さらに愛らしい息子役を演じたジャスティン・ヘンリーが8歳にして助演男優賞にノミネートされたことも、大きな話題となった。原作はあるにはあるが、この作品に限って言えば、それを基盤にした上でのさらなる飛躍ぶりが素晴らしい。まさに参加した全員の功績とでも言おうか。製作の裏側に目をやると、そこには役者陣とスタッフが一丸となって臨んだ、もうひとつのドラマが広がっていたのである。



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