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重厚でドラマチックなオスカー受賞作『ディア・ハンター』に潜む、さらにドラマチックな事実とは?

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重厚でドラマチックなオスカー受賞作『ディア・ハンター』に潜む、さらにドラマチックな事実とは?

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※2018年12月記事掲載時の情報です。


『ディア・ハンター』あらすじ

60年代末、ペンシルバニア州の製鋼所で働くマイケル、ニック、スティーヴンの3人が徴兵される。彼らの壮行会を兼ねたスティーヴンの結婚式が開かれた翌日、親友同士の男5人は鹿狩りを楽しむ。やがて、戦地ベトナムで再会を果たすも捕虜となった3人は、仲間相手に命がけのゲームを強いられる。


Index


マイケル・チミノとジェーン・フォンダ



 1979年の第51回アカデミー賞で作品賞など5部門を制した『ディア・ハンター』が、製作から40年を経て、「4Kデジタル修復版」でリバイバル公開される。この映画が初公開された頃に映画の魅力に憑かれ、のめりこんでいった筆者にとって、嬉しいニュースだ。いや、筆者だけではないだろう。同世代の映画ファンと話をすると、『ディア・ハンター』を見て、初めて映画の凄みや重みを意識するようになった……という声をしばし耳にする。そう、この映画は凄くて重かった。とにもかくにもドラマチックだった。


『ディア・ハンター』予告


 今でこそベトナム戦争を題材にした反戦映画の名作という評価が定着しているが、当時は明快な反戦映画という評は少なかった。興味深いのは、この年のアカデミー賞に、同じベトナム戦争を題材にとり、反戦をストレートに打ち出した『帰郷』がノミネートされていたこと。同作に主演してアカデミー主演女優賞を受賞したジェーン・フォンダは『ディア・ハンター』を見て、メディアを通じて“人種差別的な映画、監督はファシスト”と口撃していた。社会活動家としても知られていた彼女の目には、『ディア・ハンター』は男臭く、またテーマ性に欠けているように映ったのかもしれない。


 しかし、マイケル・チミノは語る。「考えを主張するための映画はつくらない。人々の人生を語るための映画をつくる」――アカデミー賞授賞式で、チミノとフォンダは顔を合わせても一切口をきかなかったというが、映画つくりのスタンスが違い過ぎたのだろう。



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