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『未知との遭遇』あの伝説的な交信メロディはどのように生まれた?

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『未知との遭遇』あの伝説的な交信メロディはどのように生まれた?

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『未知との遭遇』あらすじ

インディアナポリスで続発する謎の停電事故。調査のため派遣されたロイは、そこで信じられないような出来事を目撃する。だが、彼の驚くべき体験を誰も信じようとはせず、調査は政治的圧力によって妨害されてしまう。しかしロイは何かに導かれるように、真実の探求を始めた。そして彼が辿り着いた場所とは…。


Index


スピルバーグが宇宙への関心を抱いたきっかけ



 初期のスピルバーグ作品において「未知なる存在が迫り来る」というプロットはお馴染みのもの。『ジョーズ』ではこの魅力が早くも最初の絶頂に達したわけだが、さらに注目すべきはその直後の一手だ。彼は同様の「未知なる存在が迫る」というテーマを継続しつつも、これまでのような恐怖やスリルに訴える方法ではなく、逆にすべての生命の存在を抱きしめるような慈愛やぬくもりを発動してみせる。そうやって生まれたのが、彼のフィルモグラフィーにおいて最重要作に位置づけられることも多い『未知との遭遇』だ。


 とあるインタビューで彼は、自分が宇宙に関心を寄せるようになったきっかけをこう語っている。それは5、6歳の頃のこと。スピルバーグ少年は真夜中に「さあ、今から出かけるぞ!いいものを見せてやるから!」と父から叩き起こされ、有無を言わさず車で連れ出されたという。しばらく走行してようやくたどり着いたのは、だだっ広い野原。すでに多くの人たちが集まっており、彼らに倣うようにして横になって天を仰ぐと、そこには美しい流星群がとめどなく瞬いていた。スピルバーグはその絶景にただただ見とれるばかり。そして、この感動を噛み締めるだけでは飽き足らず「いつの日か宇宙の物語を作りたい」と切望するようになるのである。


 それから25年以上の月日が流れ、もう30歳になろうかというタイミングで、その願いは『未知との遭遇』として成就された。言うまでもなく、SF映画は簡単な“ト書き”ひとつを具現化するだけでも、革新的な創造性が不可欠となる。それに伴う作業も膨大。その意味でこの映画は一瞬一瞬が“発明”であり、改めて見直す度に、スピルバーグとそのスタッフたちの注いだ心血のほどが作品の隅々にまでぎっしりと詰まっているのを思い知らされる。

『未知との遭遇』スティーブン・スピルバーグ監督コメント


 中でも、本作において重要な役割を担うのが、ジョン・ウィリアムズの音楽だ。あの伝説的な「5つの音」は、いまだ耳にするや僕らの心を地上から10センチほどふわりと飛翔させてやまない。まさに映画史に残るメロディと言っても過言ではないだろう。




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