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『未知との遭遇』あの伝説的な交信メロディはどのように生まれた?

『未知との遭遇』あの伝説的な交信メロディはどのように生まれた?


異星人とのファーストコンタクト映画『メッセージ』



 『未知との遭遇』が5つの音でのごく簡単な挨拶を交わすファーストコンタクト映画だとすると、そこからさらに一歩踏み込んで、相手の言語を解明して意思疎通を図ろうとするのが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF映画『メッセージ』(16)である。


 物語は唐突に始まる。ある朝、地球上の複数の場所に巨大な宇宙船が飛来。異星人たちはなぜこのタイミングでこの惑星に降り立ったのか。そして彼らの目的は何なのか。その真意を探るべく、言語学のスペシャリストが意思疎通に挑むのだが・・・。


 初めはごく簡単な挨拶や自己紹介からスタートし、そこから少しずつコミュニケーションの間口を広げていく。そのステップ・アップの過程が非常に面白い。また、異星人たちが用いる言語も独特。彼らは口から言葉を発するのではなく、触手から吐き出した墨のようなものを波紋状に広げて情報伝達しようとする。言語学者がその意味を一つ一つ読み解いていく描写もスリリングで、観る者の心をグッと惹き付けずにいられない作品だ。



 そして、この友好的かつ踏み込んだファーストコンタクト映画が見事に成立するのは、何よりも『未知との遭遇』という途方もない前例があったからこそ。我々は、宇宙人と地球人が対面する40年前に織り成された初期イメージを基礎に置き、そこに新たな『メッセージ』を重ね合わせる。そうやって自ずと香り立つ“進化した表現性の深み”に、より一層の驚きと感動を得ることになるのである。


 もしも異星人に遭遇したなら、あなたはどのように行動するか。いや、もっと実用的なレベルでいうなら、日常生活の中で初対面の人とどう接すればよいのか。考え方や文化の異なる人とどううまくやるべきか。はたまた人生における未知なる体験に、僕らは一体どう対処し、踏み出していくべきなのか。


 そういった事象や可能性を考える上でも、ぜひこれらの映画を観るといい。そこにはきっと観る者の気持ちを一歩前に進ませ、心を大きく広げるための“ヒント”が隠されているはずだ。その意味で両作は「ファーストコンタクト二部作」と呼んでもいいかもしれない。


参考文献

「ジョン・ウィリアムズ」(音楽之友社/神尾保行著/2000)

「はじめて書かれたスピルバーグの秘密」(学研/フランク・サネッロ著/1996)

「スティーブン・スピルバーグ」(プロデュース・センター出版局/アンドリュー・ユール著/1999)

「地球に落ちてきた男」(角川書店/ジョン・バクスター著/1998)

「アクターズ・スタジオ・インタビュー」(早川書房/ジェイムズ・リプトン/2010)



文: 牛津厚信 USHIZU ATSUNOBU

1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンⅡ』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。 



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(c)『未知との遭遇 40周年アニバーサリー・エディション【初回生産限定】』
2017年10月18日発売  Blu-ray ¥4,743(税抜)
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(c) 1977, renewed 2005, (c) 1980, 1998 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

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