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アメリカン・ニューシネマ『卒業』、マイク・ニコルズの演出テクニックを垣間見る

アメリカン・ニューシネマ『卒業』、マイク・ニコルズの演出テクニックを垣間見る

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4Kで蘇るアメリカン・ニューシネマ



  2019年6月7日から4Kデジタル修復版が公開される『卒業』(67)は、本サイトでも以前書いた『俺たちに明日はない』(67)や『明日に向って撃て!』(69)と同じく、"アメリカン・ニューシネマ"としてカテゴライズされる。しかし、何から何まで親に依存してきた箱入り青年が、親の猛反対を押し切って、初めて自分の意思で新たな道を歩み始めるという物語は、一見、希望に溢れていて、いわゆるニューシネマらしくない。


 それでも、映画全体に漂う殺伐とした雰囲気は、コメディとして秀逸な演出が随所に施されているものの、独特の苦い後味を観客の喉元に残す。単なる名作の復刻に収まらない、今に通じるテーマがあるからこその4K修復版の公開なのではないかと思う。



 本作で画期的な演出を施した監督のマイク・ニコルズは、リー・ストラスバーグの下でメソッド演劇法を習得、ブロードウェー・デビュー作「裸足で散歩」(63╱後に映画化)で、いきなりトニー賞・演劇部門の演出賞に輝いた。その後の映画第一作『バージニア・ウルフなんかこわくない』(66)では、アカデミー主演女優賞(エリザベス・テーラー)ほか5部門を制覇。その際、メディアはニコルズを"オーソン・ウェルズの再来"と絶賛、劇中の台詞に散りばめられた性的表現は容認され、アメリカ映画を長く拘束してきた検閲制度"ヘイズコード"が、この作品を機に撤廃されたとも言われている。ニコルズはアメリカ・エンタメ界の寵児だったのである。



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