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『クレイマー、クレイマー』ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリーは、いかにして歴史に残る名演を生み出したのか?

『クレイマー、クレイマー』ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリーは、いかにして歴史に残る名演を生み出したのか?

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演技経験ゼロの子役をオスカー候補にまで導いた演技指導



 アクターズスタジオで研鑽を積んだダスティン・ホフマンは、徹底した演技メソッドで役作りに臨むことでも知られる。『クレイマー、クレイマー』で何よりも面白いのは、それが彼自身の体内で炸裂するだけでなく、これが演技初挑戦の子役ジャスティン・ヘンリーとの共演シーンにも及んでいることだろう。


 ‘71年生まれのジャスティンもいまでは50歳に近いオジサンの年齢となっているなんて、にわかには想像できないが、当時は子役としてのキャリアも全くない、ただの何もわからない子供だったという。でもそのナチュラルな素人っぽさが目を引いたのか、製作陣はこの子に光輝く可能性を感じて、天に命運を託す気持ちで大抜擢の決断を下した。




 当然ながらジャスティンの出演場面には必ずと言っていいほどダスティン・ホフマンがいる。案の定、二人は本当の親子のような親しさと、真の師弟関係のような関係性を育んでいった。特にそれが際立ったのはアドリブを用いて特別な瞬間を生み出す場面だ。


 たとえば語り草になっているのが、父子が晩御飯を食べながら衝突する場面。「もう食べたくない!」とふてくされる息子が冷蔵庫からアイスクリームを取り出しておもむろに食べ始めようとするところ。脚本にはない描写だったが、かつてホフマンが娘との間で経験したエピソードをそのまま子役のジャスティンに提案してみたところ、彼が「うん、やってみよう!」と承諾したという。これが最高にうまくはまった。脚本が設計図だとするなら、この映画にはこのように予定調和を超えて飛躍する瞬間が無数に刻まれているのだ。



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