1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. トゥルーライズ
  4. 『トゥルーライズ』シュワルツェネッガー&キャメロン、T2コンビが確立した「戦い」と「笑い」の黄金比
『トゥルーライズ』シュワルツェネッガー&キャメロン、T2コンビが確立した「戦い」と「笑い」の黄金比

(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『トゥルーライズ』シュワルツェネッガー&キャメロン、T2コンビが確立した「戦い」と「笑い」の黄金比

PAGES


下着ダンスはジェイミー・リー・カーティスの発案



 もちろん、部活動的なノリで作ったように見えて、現場は真剣そのもの。前述のタンゴシーンのために、シュワちゃんは約6ヶ月間リハーサルを行ったという。目標はアル・パチーノがオスカーを獲得した『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(92)だったというから、相当気合いが入っている。乗馬シーンの撮影の最中には、事故にも見舞われたそうだ。


 シュワちゃんに負けず劣らず弾けまくった演技を披露し、ゴールデングローブ賞を受賞したハリーの妻ヘレン役のジェイミー・リー・カーティスは、『トゥルーライズ』で最も体を張った1人。劇中で彼女が見せる扇情的なポールダンスは本作のハイライトともいえるが、くだんのシーンではカーティスの意見が採用されている。元々はカーティスが暗闇の中で裸になり、その代わりシルエットだけで見せる予定だったが、カーティスは下着姿になって堂々と照らすプランを提案。その結果、かの名シーンが生まれたという。


 ちなみに、ヘレン役にはキム・ベイシンガー、アネット・ベニング、マドンナ、デミ・ムーア、ミシェル・ファイファー、シャロン・ストーン、エマ・トンプソン、シガニー・ウィーバー、ジュリアン・ムーア、ジュリア・ロバーツ等々、多くの名が挙がり、一時期はジョディ・フォスターで進行していたとか。今となってはカーティス以外の配役は考えられないが、ヒロイン役はすんなりとは決まらなかったようだ。だからこそ、役を勝ち取った彼女への称賛は、より特別な意味を持つ。



(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.


 そんなカーティスに対するキャメロンとシュワちゃんの深い敬意がうかがえるのが、オープニングタイトルだ。実はこれ、キャメロン→シュワちゃん→タイトルと表示されるはずだった。しかし、カーティスの働きぶりに感銘を受けたキャメロンは、タイトルの前にカーティスの名前を入れたいと考え、シュワちゃんに電話。シュワちゃんもすぐさま快諾し、カーティスの名前は「昇格」した。3人の幸福な関係性が表れたエピソードといえる。


 俳優陣に負けず劣らず、キャメロンも気合い十分で本作に臨んだ。コメディへの挑戦に不安を覚えた彼は当初脚本家のチームを招集したが、最終的には一から自分の手で書き直すことを決意。キャスティングにおいても、ハリーの同僚アルバート役のトム・アーノルドの離婚問題でスタジオが難色を示したときには、「彼を雇えないならよそで撮る」と啖呵を切ったという。


 トイレの戦闘シーンでは、見せ方にこだわるあまり、セットの改築を決定。最終的にトイレのセットは3倍の大きさになり、撮影には5日かかったそうだ。その後のスケジュールも遅れに遅れ、不眠不休状態が続いたという。ヘリコプターの救助シーンではカーティスがスタントなしで演じ、キャメロンも手持ちカメラで危険な撮影を共に行ったとか。



(C)2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.


 このように、本作におけるキャスト・スタッフ陣の武勇伝には枚挙にいとまがない。アメリカ海兵隊から戦闘機を実際に借りて撮影を行い、米フロリダ州のオーバーシーズ・ハイウェイにあるセブンマイル・ブリッジで、爆破シーンを撮影(実際には爆破せず、特撮と併せて対応)するなど、本気度が並みの映画とはまるで違う。


 前項と重なるが、彼らが死力を尽くして取り組んだがゆえに、アクションとコメディが絶妙なバランスでミックスされた至高のエンターテインメントに仕上がったといえるだろう。



PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. トゥルーライズ
  4. 『トゥルーライズ』シュワルツェネッガー&キャメロン、T2コンビが確立した「戦い」と「笑い」の黄金比