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『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』日本公開記念!ウィル・ベチャー監督×八代健志監督特別対談【Director’s Interview Vol.46】

『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』日本公開記念!ウィル・ベチャー監督×八代健志監督特別対談【Director’s Interview Vol.46】


ストップモーションに魅了されたわけ



Q:お二人にお聞きします。そもそも、ストップモーションを始めたきっかけは何だったのでしょうか。




八代:僕は、ユーリ・ノルシュテインの作品が最初でしたね。手描きの絵ってわかるのに、それが動いてるのが素敵だなと思って。だから最初はマルチプレーン撮影※から入っていきました。今でも、手で作った質感が見えるような作品を好んで作っています。


ウィル:僕の場合は、1980年代のアードマンの「モーフの冒険」という作品です。彼はクレイだけで作られているキャラクターで、アートスタジオの机の上で生活しているという設定なんです。すごく素晴らしいと思ったし、彼の物語や冒険が最高だった。と同時に「これって粘土で作られているんだな」と考えると、とてもワクワクしました。


※マルチプレーン撮影…マルチプレーンカメラを用いたアニメーションの撮影方法。ここでは、何枚も重ねて層になった透明なガラスの上に、切り絵などを置いてコマ撮り撮影する手法のこと。



クレイはアイデアをすぐ形にできるツール



Q:ストップモーションには色々な技法がありますが、アードマンが長年クレイ(粘土)アニメにこだわる理由はなんでしょうか。


ウィル:アードマンの創立者のピーター・ロードとデヴィッド・スプロクストンは、最初いろんな方法でアニメーションの表現をしていました。ただ、セルアニメをやろうとした時に、「僕らには手間がかかり過ぎる!」と思ったんだそうです。(笑)


でもクレイだったら、割とすぐに作ることができました。1秒に12コマ撮ればいいから、何かをすごく早く作りたいと思った時に、セルよりもっと早く作業ができるし、色んな表現をすることができて、しかも楽しい。そうやってアードマンスタイルが作り上げられていきました。




今でもアードマンはスタジオとして、いろんな種類の映像制作をしています。CG、インタラクティブ、2Dも。ただアードマンとしてはクレイアニメーションの世界を知り抜いていますし、今でもクレイのキャラクターたちはすごく色んなことを表現してくれると感じるので、大切にしているんです。


八代:それは僕らも観ている側として感じるので、この先もアードマンにはクレイアニメを作り続けてもらいたいな。だからこう、人形に指紋がついていたりちょっと指の凹みが見えるとすごく嬉しくなる。


ウィル:ありがとうございます。よく観ていただければ、ご指摘の通り指紋も凹みもあります(笑)。


Q:クレイアニメは、熱で溶けてしまったり扱いが難しいイメージがあったのですが、特別な粘土を使っているのですか。


ウィル:クレイ自体は市販の、子どもが使っているような粘土と同じものですが、照明に当たった時に熱で溶けないように、チョークを混ぜたりして工夫しています。そういう意味ではかなりアードマン印の、ユニークな方法になっていると思います。あとはクレイだけでなく色々な素材を組み合わせていますね。たとえば今回の新キャラクターのルーラは、顔はクレイ、体はシリコンラバーで出来ています。




八代:シリコンなんですか。(人形の体を触って)すごく柔らかいですね!クレイとシリコンの色を、よく合わせてありますよね。ほとんど違いがない。


ウィル:素材によってそれぞれ照明の光に対して反応が違い、色が変わって見えてしまうこともありますよね。そのためモデルメイカーが長い時間をかけて色彩の調整をしてくれます。彼らが色々な素材を試してくれて、今の仕上がりになりました。それでも、青いクレイは他のものに比べて色が褪せてしまいやすいなど、長期間の撮影をする上で大変な点もありました。



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