林遣都出演のおすすめ映画（2009～2010）
3.『風が強く吹いている』（09）
『バッテリー』『DIVE!!』の活躍で、高い運動神経を発揮した林。彼の「スポーツ三部作」とでもいうべきシリーズの締めくくりが、この『風が強く吹いている』だ。
「舟を編む」など映像化も数多い人気作家・三浦しをんによる、駅伝をテーマにした青春スポーツ小説が原作。大学の弱小陸上部が、箱根駅伝に出場するため猛練習に励む姿を、笑いあり涙ありで描いていく。
林が演じたのは、類まれな走力を持つが、過去に暴力事件を起こしてしまったというシリアスなキャラクター。ストイックな性格だったが、仲間たちと共に切磋琢磨していく中で、「繋ぐ」「託される」という駅伝ならではの責任感に目覚めていく。
野球、飛び込み、駅伝とそれぞれ違った種目に挑戦してきた林は、序盤から全力疾走し、天才ランナーをものの見事に具現化。『DIVE!!』から1年で、大学生を演じても違和感がないまでに成長を遂げた姿にも、注目だ。
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4.『パレード』（10）
人気作家の作品の映像化に多く出演しているのも、林の特長。「悪人」「横道世之介」「怒り」で知られる吉田修一が原作を務めた衝撃作で、キーマンを演じた。
都内でルームシェアをする4人の男女。ある日、ふらりと娼夫の青年（林）が転がり込み、共同生活の中に溶け込んでいくが――。それぞれに訪れる人生の転機や小さな事件、同居人たちの友情をしっとりと描いていく一方で、どす黒い闇が色濃くなっていく深遠な一本。
行定勲監督がメガホンをとり、藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、小出恵介といった豪華なメンバーが揃った本作。林は、真意が読めないミステリアスな空気感を纏い、物事を俯瞰し、さざ波を立てるポジションを見事にこなしている。
髪を金髪に染め、どこか厭世的でふらふらと歩く姿は、これまでの出演作で見せた姿とはまるで別人。「じゃあ、うわべだけの付き合いなんだ」「もうみんな知ってるんじゃないの」といった「セリフで刺す」技の破壊力は、絶大だ。
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