4.『影踏み』(19) 監督:篠原哲雄 112分
東出昌大、新田真剣佑と共演した『OVER DRIVE』(18)、華麗なバスケシーンで魅せる『春待つ僕ら』(18)、杉咲花、新田真剣佑、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈といった若手注目株としのぎを削った『十二人の死にたい子どもたち』(19)、永野芽郁と共演した『君は月夜に光り輝く』(19)など、多くの映画で安定した演技を供給し続けてきた北村。
『HELLO WORLD』(19)や『ぼくらの7日間戦争』(19)といったアニメ映画や、同性愛者に扮したドラマ『隣の家族は青く見える』(18)など新たな挑戦も行い、役者としてより分厚くなった彼は、山崎まさよし主演作『影踏み』でさらなる難役に向き合うことになる。
家主が寝静まったころに忍び込む泥棒「ノビ師」(山崎)が、殺人事件の真相究明に乗り出す物語。調査を行う中で、彼自身の壮絶な過去が明らかになっていき……。北村は、主人公を慕う“相棒”的ポジションで、ダークでシリアスな世界観の中で清涼剤の役割を果たしているほか、主人公に掴みかかるなど、ぐっと大人な演技も披露。彼が抱える、ある秘密が明かされたのちは、作品全体に対する印象が大きく変わるだろう。
このように、一筋縄ではいかないテクニカルなキャラクターを任され、しかも尾野真千子、滝藤賢一、鶴見辰吾、大竹しのぶといった錚々たるベテラン勢に囲まれても一切見劣りしないあたり、北村のたのもしさが感じられる。
ちなみに、作品公開時に放送された音楽番組やライブコンサートでは、山崎と北村が本作の主題歌『影踏み』をデュエットするスペシャルコラボレーションが行われ、注目を集めた。