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北村匠海出演のおすすめ映画5選!底知れぬ可能性を秘めた22歳

(C)2020「サヨナラまでの30分」製作委員会

北村匠海出演のおすすめ映画5選!底知れぬ可能性を秘めた22歳

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5.『サヨナラまでの30分』(20) 監督:萩原健太郎 114分


共演の機会も多い新田真剣佑と再び顔を合わせた『サヨナラまでの30分』は、新時代の音楽青春映画といえるだろう。北村がこれまで培ってきた「演技」と「歌唱力」の両方を心ゆくまで味わえる快作だ。


音楽の才能に恵まれながらも、人づきあいが苦手な性格で、殻に閉じこもりがちな大学生・颯太(北村)。ある時彼は、カセットテープを拾い、何の気なしに再生。そうすると、1年前に事故で亡くなったバンドのボーカル・アキ(新田)の幽体が、目の前に現れる。テープが再生される30分だけアキと入れ替わることができる体質になった颯太は、彼の心残りであるバンドメンバーの元に行き、再結成を促すのだが――。


エモーショナルな音楽ドラマと、切ないゴーストストーリーが融合し、革新的な世界観を創出。『君と100回目の恋』(17)や、ドラマ『凪のお暇』(19)で知られる脚本家、大島里美によるオリジナル作品であり、映画だからこそ実現するドライブ感に満ちている。


本作では北村の「声の魅せ方」が突出しており、ピアノで弾き語りを行うシーンは鳥肌ものだ。普段の颯太と、中身がアキの状態の演じ分けも明快で、ある種の「一人二役」も見事に演じ切っている。アッパーな新田の演技と、ダウナーな北村の演技のかみ合わせも絶妙だ。新田が歌うソロパートも、涙を誘う。


『東京喰種 トーキョーグール』(17)で知られる萩原健太郎監督の鮮やかな色彩表現や、感情やストーリーの起伏とシンクロしたカメラワークとカット割りは非常に今風で、新たな才能の胎動を高らかに喧伝するかのよう。撮影監督は、『新聞記者』(19)の藤井道人監督とのタッグで知られる今村圭佑が務めた。



個性あふれる作品に参加してきた北村だが、今後の出演作も、実に多彩。「ストロボ・エッジ」「アオハライド」の咲坂伊緒による人気漫画を実写映画化した『思い、思われ、ふり、ふられ』(20)では浜辺美波と再び顔を合わせ、山田裕貴、杉野遥亮、鈴木伸之、磯村勇斗、間宮祥太朗、吉沢亮ら若手俳優が結集した『東京リベンジャーズ』(20)では主演に抜擢。 



吉沢亮、小松奈々と兄妹を演じる『さくら』(20)や、森山未來、勝地涼と“対決”するボクシング映画『アンダードッグ』(20)、中川大志、石井杏奈、清原果耶と共演する『砕け散るところを見せてあげる』(20)、とんかつ屋の息子でDJという異色の役どころに挑むコメディ『とんかつDJアゲ太郎』(20)などなど、こちらの予想を超えたキャラクターを三次元化し続ける北村。彼の限界値は、いまだ底知れない。







文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」「シネマカフェ」「BRUTUS」「DVD&動画配信でーた」等に寄稿。Twitter「syocinema

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