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何を撮っても自分ぽくなってしまうのですが、それでいいかなと思ってます。『のぼる小寺さん』古厩智之監督【Director’s Interview Vol.65】

何を撮っても自分ぽくなってしまうのですが、それでいいかなと思ってます。『のぼる小寺さん』古厩智之監督【Director’s Interview Vol.65】

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ボルダリングに夢中な女子高生、小寺さん。ひたむきにまっすぐ上を目指す彼女の姿に、周囲の人間も少しづつ影響されていく…。人気漫画「のぼる小寺さん」の映画化を手がけたのは、『この窓は君のもの』(93)でデビューし、『ロボコン』(03)『ホームレス中学生』(08)など、数々の青春映画の傑作を手がけてきた古厩智之監督。思い悩む若者の繊細な心情を、古厩監督はどう描いてきたのか?話を伺った。


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映画は現場で変わっていく



Q:本作に携われた経緯を教えてください。


古厩:面白いマンガがあるから映画化してみないって、原作の「のぼる小寺さん」をプロデューサーに勧めらました。読んでみたら、これが大変良かったんです。スポーツものですが「強い敵に挑む」みたいな内容ではなく、誰かの家に行く話とか、ただゲームするだけの話とか、そんなゆったりした内容でしたね。何だか、終わって欲しくない日々みたいなものが描かれていて、それがすごく良くてですね。これはやってみたいなと思いましたね。


Q:今回の脚本は吉田玲子さんが手掛けられていますが、古厩監督は脚本には携わっていないのでしょうか。


古厩:そうですね。撮影に向けて、実現可能な範囲に調整する意味で、少しだけ手を入れた箇所はありますが、今回は基本的には吉田さんです。




Q:他の方が手がけた脚本でも、古厩監督のテイストを作品から強く感じました。ご自分で脚本を手掛けるのと手掛けないのでは、何か違いはあるのでしょうか。


古厩:映画は生き物なんで現場で変わっていくんです。脚本の縛りがそれほどきつくない場合は、現場でどんどん楽しい方向に変えていってますね。現場はそれが起こる場所なんですよ。


自分の方向に持っていくのは、なるべくやらないようにと思っているのですが、終わってみるとどう見ても自分の作品になってしまいますね。自分がやりたいこと、自分が見たいものを、設計図である脚本に盛り込んでいくので、結局のところあまり違いはないかもしれませんね。



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